Short Story
□夏恋〜一夏の思い出〜
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「暑ちーっ」
パタパタと下敷きで自分の顔を扇ぐ。
「暑くても授業中下敷きで扇ぐな〜」
「すみませ〜ん」
だって暑いじゃんよ…
こんなに暑いのに授業受ける気にもならないよ
その日はずっと授業中上の空だった
放課後になってもそれは同じだった
「おいっ」
「何?」
「やっと気付いたよ〜あんさー、今週の土曜日空いてる?」
いつの間にいたのか、拓人が机の前に両手を立てながら話しかけてきた
「空いてるよ〜…」
帰りの準備をして教室をでていく人を横目で見ながらそう答えた
「…そっか、ならよかった!2:00くらいに俺ん家これる?」
「うん…」
「じゃ、俺部活あるからまたなっ」
「またな…」
元気だなぁ…
静かになったので教室を振り返るともう誰もいなく、静けさがそこにはあった
「…帰らなきゃな」
ボソッと呟くと鞄を持ち教室を後にした