Short Story

□attack
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「ん゛〜…」

はぁ…

疲れた……

いつもの事ながら、俺一人で残業とか淋しいな


あいつ誘っておけばよかったか?

でも余計大変か…



カタ…

「ん?」

「お茶どうぞ。」


そこには帰った筈の、聖一がいた。


「あぁ、ありがとう。」


なんだか気まずいな

「部長。」

「なんだ。」

「今晩泊めてください!」


大体こいつが残ってる時はこれくらいしかない。

前にもあったけな。

入社したての頃に……


「…理由は?」

「住んでたアパート……追い出されました…」

「…前もいってなかったか?」

「いいましたっけ…?」


「まぁいい、だから残ってたんだな?」

「そう、です…」

「じゃあ帰るか…」

「仕事終わったんですか?」

「もう終わったよ。お前とは違うからな」

「酷……っ」

「さ、帰るか。」

「スルーですか…?」

軽く聖一を無視し、駐車場に向かった

「車大きいですね…」

「まぁな。もう乗れ。」

「はい。」


後ろのったのか…




夜なのに明るいライトが辺りを照らしていた。

ガラス越しに見えた聖一はなぜかうつむいていた。

「…どうした。」

「え?」


急に話かけられて驚いてたらしい。

「うつむいてるから聞いたんだ。」

「ライトが眩しくて…ははっ。」

「そうか、ならいい。」

「心配してくれたんですか…?」


意表をついた事をいわれ、顔には出さないが驚いた。

だからつい冷たい態度を取ってしまった。


「そんな分けないだろ。」

「そうですか…」


がっかりしたのだろうか…?

悪い。

といえたら…


「ついたぞ。」

「あ、はいっ。」



エレベーターに乗り、自分の部屋まで歩く。

ガチャ――

「わぁ〜…」

「風呂は俺との時間を開けないで入る事。」

バッグとシャツを椅子に適当に置いた。

「はい。」

そのまま椅子に座ろうと思ったが、ジャケットをしまうためにクローゼットがある寝室に向かった。
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