Novel

□【クリスマスにはタバコ味のキス】
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【クリスマスにはタバコ味のキス】


人込みとか好きじゃないのは知ってるの

だけど、彼氏と見たいんだイルミネーション


「ダメ?」


そう言ったらわかったと言って車のキーを持って立ち上がってくれた


しかし、連れてってくれたのは駅前ではなく

坂をどんどん登っていく



「さ、笹塚さん?」


何怒らしちゃった?


名前を読んだら
車が止まり笹塚さんがこちらを向いた

「何?」

「えっとどこ行くの?」

「着いた」


そう言って
車から降りて
さっと私の方のドアを開けてくれた


「ありが……」


車から降りながらお礼を言っていて

私は言葉を無くした


高いこの位置から見ると
いつもの街が
まるでイルミネーションの様にキラキラしている


「キレイ……」


あまりの綺麗さに思わずため息が出る


「気に入った?」


私は何度も何度も頷く


「ならよかった」


そう言ってタバコを吸い煙りを吐いた


「メリークリスマス」

そう言って私にキスをしてくれた


キラキラ輝く街の明かりの上で
少し苦いタバコの味のキス

メリークリスマス笹塚さん



End


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