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□【見た目ラブラブ恋愛】
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【見た目ラブラブ恋愛】

「スパナのバカー!」

僕は大きな声を上げて、飴を落としそうな間抜けな顔をした男を置き去りにして走り出した。
仕事ばかりして可愛い可愛い恋人を放置したんだ。
地獄に落ちてしまえばいい
大好きな飴なんか床に落ちてそれでアリだらけの部屋になっちゃえばいいんだ。

そんな事を頭の隅で考えながら走っていると機械音がして、振り向いたら大きな手によって捕まった。

「バカ!死ね!」

僕はスパナの側に連れ戻されて
浮いている足をスパナに向って蹴るように動かしながら暴言を吐く

怒った恋人を追いかけるのは普通、恋人本人だろ!?
何でモスカなんだよ…
ちょっと期待だってしてたのに
あーあ、僕がバカでした!

「何だよ、どうせ僕なんかどうでもいいんだろ?離せよこのクソ機械!」

僕がそう言ってモスカを蹴ってやったら、スパナがムッと怒った顔をして、ゆっくり近づいてきた。
そこは一応マフィアであるから、凄みがあって背筋を思わず伸ばして緊張してしまう。

少しだけだけどね。

「な、何…別に謝らないよ…っ!」

手が動いて思わず目を閉じると頬をむにゅっと両手で摘まれ引っ張られた。

「しゅぱにゃ!?」

スパナの名前を呼ぼうと声を上げたのだけど、上手く発音出来なくて変な発音になったら
プっとスパナが吹き出して手を離した。

「ジンジャー可愛い」

そう言って頭を撫でて、僕が忘れてっていた帽子を僕に被せた。

「忘れ物…」
「スパナのバカ!」

何だよ、かっこいいなんて思って損したじゃん。僕のドキドキ返せ!
いや、思ってない断じて思ってない!ドキドキなんかしてないよ!

end

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