Novel

□【学ばない君に素直な愛を】
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【学ばない君に素直な愛を】

グチャっと音を立てて黒い影が水

溜りに倒れた。

「つまんないな〜もう」

パチンと乾いた音を鳴らしたまま

だった指をすっとマントの下に戻

し白い歯を見せて笑った。
その表情は悪戯を成功させた子供

のようで凄く可愛らしい
けれど、した事は悪魔のような事

「ジンジャー」

赤黒い血をなるべく踏まないよう

にその死体の横を通りすぎ、ジン

ジャーの側まで行く

「あ、スパナ、何々?僕を迎えに

きてくれたの〜?」

嬉しそうにウチの側まで来てニコ

ニコと笑う
そんなジンジャーの口に飴を突っ

込んでやると凄く驚いた顔をいて

から拗ねた様な怒った様な顔をし

た。

「いきなり突っ込んだら痛いじゃ

ん」
「ワザと…」

そう言ったら今度こそ怒ったらし

くマントを翻して背を向けたから

その背中を逃がすまいと抱きしめ

た。

「そんなに僕のこと好きなの〜?


「うん」

素直に言った、たった一言でジン

ジャーは白い肌を耳まで真っ赤に

する。
いつもそうなんだから少しくらい

学べばいいのにと思うが可愛いの

でそれは言わないでおく

(別に僕は好きじゃないよ)
(ウチは好き)

end

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