Novel
□【黒髪の君】
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【黒髪の君】
日本人特有の艶のあるさらりとした黒髪の女性を見つめる
外国人ひとり
「はぁ〜」
その外国人こと僕ジンジャーは雑誌を床に置きため息を吐く
僕がため息を吐いたのを何か勘違いしたのか
僕に飴を差し出すスパナ
「あのね〜僕が飴なんかで機嫌直すとか勘違いしないでよね」
この間それで良しとしてあげたからって
僕を甘く見ないでよ
そう言いつつも僕はその飴を受け取った。
「ごめん…」
スパナはそう言って手元の物に視線を戻した。
ホントに悪いとか思ってるわけ?
落とした視線の先にまたその雑誌の黒髪の日本人が目に入り僕は気が付いたら声に出していた。
「スパナはやっぱり黒い髪が好き?」
そう口に出してしまい僕が恥ずかしくて慌てて言葉を濁し始め、ちらりと視線を上げたら、驚いた表情のスパナと目が合った。
「あ、えっと、その」
「うん」
しかし、スパナの表情はすぐにいつもの表情に戻り頷いた。
何だよ、そこは空気を読んでよ
そんなことないよとかさ、言ってくれてもいいじゃん
僕が少し表情を曇らせるとスパナは僕の頭を撫で髪を指に絡める
「ウチ、ジンジャーの髪好き」
「な!?」
そっと僕の髪に口付けをしたスパナは狙っているのか
それとも本気なのか…
僕ばっかり悲しくなったりドキドキしたりズルいよ
スパナのバーカ
end
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