番外編

□☆
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それから20分程して。



「くくっ、てめぇ、女のくせにやるじゃねぇか。俺の技を喰らってもまだ平気そうな面しやがってw」

『はんっ!女だからって舐めないでよね!ってか刀3本使うとか卑怯でしょうが!;』

「ははっ!三刀流が俺の流儀なんだよ!」



金属音が当たりに鳴り響く中、僕と緑のお兄さんは刀と包丁を交じり合わせる。

ってかこの人、時間がたつにつれてすっごい楽しそうな顔に変わってんの!

え、何?

もしかして戦いマニアとか?;

だとしたら相当変態ってことだよね?


うわ、どうしよう・・・

僕のレーダーがかなりの危険信号を放っているんですけど;



やば、早々にこの勝負を終わらせないと;



「ははは!どうした!息が切れて来てるぞ!?おら、もっと俺を楽しませろ!w」

『Σうっさいわ、変態っ!もう・・・終わりにするからねっ!?;』

「できるもんなら・・・やってみろっ!」



大ぶりの一振り・・・


これを、待っていたっ!!



僕はその一太刀をギリギリまで引きつけて避けた。

剣を交えての実践なんて滅多にないから若干頬に傷を作ってしまった。


だけど素早く懐に入り込んで包丁をしまっているホルスターと反対側のホルスターからノッキングガンを取り出して・・・・



『っ!くらえぇっ!!』

「Σぐぅっ!!;」


ノッキングガンを炸裂させた。



「ぐぁ・・・て・・め・・何、を・・・;」

『ふぅ;あなたが中々手を休めてくれなかったのでノッキングさせてもらいました。どう?大型獣類専用のヘビー級のノッキングガンの味は。かなり来てるんじゃないですか?w』



右手でノッキングガンをくるくる回しながら僕は目の前で蹲り体を痙攣させている彼を見てほくそ笑む。

真剣勝負でノッキングガンなんて使って反則だ・・・なんて思われるかもしれないけど、そんなの糞喰らえw



「き、汚ぇぞ・・・真剣勝負に・・・;」

『あーら、人聞きの悪い。僕、別に剣士とかそういうんじゃないんですよ。ただの料理人。だから汚いなんて言われる筋合いはありませんよw』

「ちっ・・・;」

『さて・・・と。』


僕は彼の傍らにしゃがみ込んだ。

愛刀をホルスターにしまってニコリと微笑みかける。



『くふふw方法はどうあれ、僕の勝ちですよねwさぁ、どう処理してあげましょうかw』

「く・・・;」

『数本とは言え、貴方は僕の髪を切りました。女は髪が命・・・つまり貴方は僕のその命を差し出さなければいけません。』

「・・・好きに、しろ・・・・」

『ふふwいさぎいいですねwそれでは・・・』



僕は彼に手を伸ばす。


・・・けれど、僕は寸でのところで手を止めた。



僕と彼の間にあのトナカイちゃんが・・・・



「う・・・フゥ・・・や、止めてくれよぉ・・・グスッ///」

『トナカイちゃん・・・?』

「ゾロは・・・俺を助けようとしただけなんだ!やるんなら俺を!だからゾロは見逃してくれよぉ・・・」

『・・・・・。』



大きな瞳から大量に涙を流して彼を助ける様に懇願するトナカイちゃん。

彼とはどういう関係なのかは知らないけど、大切な仲間といった具合か・・・

何ともいい話じゃないの。

僕、そういう話に弱いんだよね・・・・



・・・まぁ、元々そんな酷いことをするつもりなかったしね。

とりあえず・・・



僕はトナカイちゃんに手を伸ばした。



何をされるのか分からないトナカイちゃんは咄嗟に目を瞑ったけど僕は・・・




――なでなで。


トナカイちゃんの頭を撫でた。




「・・・え?;」

『ふふっw何を怖がっているんですか?別に何もしませんよ?w』

「だ、だって・・・;」

『確かに、僕はその人にノッキングをしました。だけど自分の身を守るためです。基本的に僕っていい人ですし?w』

「・・・・;」

『・・・さっきは食べようとしてごめんなさい。僕、貴方が野生の動物だと思ったんです。でもどうやら違うみたいで・・・貴方にはあなたがいなくなったら悲しむ大切な仲間がいるんですよね?』

「・・・・コクリ。」

『そうですか。それなら今回は全面的に僕が悪いですね。本当に、ごめんなさい。』



僕は素直に頭を下げた。






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