愛≠狂気
□その狂気
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朝、いつもより早く起きた。
なんだ、沖田くんに誘われたくらいで浮かれて早起きなんて、僕もまだまだ子供だな。
顔を洗って胴着に着替えて、誰もいない道場に入った。
まだ誰も来てない、か。
いつも朝稽古してはいるが、こんな早くに来たのは何年ぶりだろう。
竹刀をもって、一人で素振りをしていく。
剣を振るっている時だけは、何も考えないでいいから好きだ。
昔から、僕にはこれしかない。
一時間も素振りをしていたら、隊士が少しずつ道場に入ってきた。
「あれ!桜木さん早いですね!」
「あぁ、なんか目が覚めてしまってね。」
「そうなんですか!精が出ますね!」
「俺達も見習わなきゃなあ!」
慕ってくれる隊士達に挨拶を交わしていく。
好感を持ってくれるというのは、やはり嬉しいな。
もっと強くなりたい。
こいつらといる為に。