愛≠狂気

□その狂気
1ページ/6ページ

朝、いつもより早く起きた。

なんだ、沖田くんに誘われたくらいで浮かれて早起きなんて、僕もまだまだ子供だな。

顔を洗って胴着に着替えて、誰もいない道場に入った。

まだ誰も来てない、か。

いつも朝稽古してはいるが、こんな早くに来たのは何年ぶりだろう。

竹刀をもって、一人で素振りをしていく。

剣を振るっている時だけは、何も考えないでいいから好きだ。

昔から、僕にはこれしかない。

一時間も素振りをしていたら、隊士が少しずつ道場に入ってきた。


「あれ!桜木さん早いですね!」

「あぁ、なんか目が覚めてしまってね。」

「そうなんですか!精が出ますね!」

「俺達も見習わなきゃなあ!」


慕ってくれる隊士達に挨拶を交わしていく。
好感を持ってくれるというのは、やはり嬉しいな。
もっと強くなりたい。
こいつらといる為に。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ