愛≠狂気

□消えた笑顔
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「あ、れ?」



笑え、ない?
なんで?僕は笑顔でいないと‥‥。




あれ、可笑しいな。いつもの殺意が沸いてこない。

沖田くんが目の前にいるのに。



あれ、あれ、‥‥ア、レ?





「僕‥‥まさか起きてからずっと‥‥」







笑ッテ、ナイ―――‥‥?









病室を静かな空気が包む。
口を開いたのは、沖田くんだった。



「‥‥起きてから、一回も表情変えてないぜィ。気づいてなかったのかィ。」




一度も‥‥‥‥?



表情を‥‥?






「そっ、か‥‥。」






また静かになった病室で、しばらく口を開く人はいなかった。

僕は今、どんな顔をしている?

表情を変えようとしたけれど、笑おうとしたけれど、顔に筋肉がついていないみたいに、全然動かなかった。

僕は大丈夫だよ、って、笑おうとしたけど、それが口から出てくる事はなかった。




しばらくして、土方くんが口を開いた。



「とりあえずしばらく安静だ。ゆっくり寝ていっぱい食え。いいな?」


「‥‥土方くん。」


「総悟。お前は帰って寝ろ。」


「俺は大丈夫でさァ。」


「馬鹿野郎。3日もろくに
寝てない奴が何言ってんだ。」




3日、?




「チッ」





え‥?沖田くんもしかして‥





「ずっと‥?」




付いててくれたの?



その言葉を言う前に、沖田くんは僕から顔を逸らし、土方くんを睨み付けた。



あの、沖田くんが?
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