べるぜバブ小説

□愛してるゲーム
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「お前綺麗な瞳してるよな。」

「貴様はいつも真っ直ぐな目をしておる。」

「貴様は強いな。頼もしく思うぞ。」

「お前はいつも綺麗だよな。」

「いつもベル坊のことに一生懸命だよな。そういうところが好きだ。」

「なんだかんだでよく坊ちゃまの面倒を見ているな。貴様のそういう優しいところが好ましいと思うぞ。」

「お前とベル坊は俺が守るからな。」

淡々とこっぱずかしい言葉を並べていく夫婦に周囲は爆発寸前だ。

「しかし、お互いよくみてるよな。」

古市が呟いた言葉に全員がうなずいた。


「む。そういえば、あの時の礼をしていなかったな。」

「あの時?。」

「私が記憶を消されたときだ。」

「ああ。」


「ありがとう。」

「!!。」

男鹿の顔が一瞬、ほんの少しだけ変わった。

頬がうっすらと染まっている。

(あ、照れてる。)

古市と夏目は面白そうに顔を見合わせた。

「こりゃあ、男鹿ヨメの勝ちだな。」

そういった神崎に姫川が笑って返す。

「いや、引き分けだ。」

「?。」

男鹿に集中していた視線がヒルダに向いた。

「あ。」

開いた口が塞がらないとはまさにこのことだ。

ヒルダは無表情のままだったが、その頬は男鹿と同じように薄く染まっていた。

「・・・。」

二人の間に無言が続く。


「確かに、引き分けだなこりゃ。」


「ダブっ。」

いままで大人しくミルクを飲んでいたベル坊が「引き分けっ!。」と言うように両手を広げた。


二人は暫く固まったままだったが、昼食が終わる頃にはまた、喧嘩をはじめていた。

その様子はどこと無く楽しそうだったが。

その姿にクラス全員が心の奥でこう呟いた。

(新婚かっ!。)



愛してるゲーム



石矢魔は今日も平和です。
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