銀魂小説

□運命って信じます?
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チャイナは旦那達と会う前にも一度だけきたことがあるといっていた。

それはまだ二人が幼かった時の事。

その日は日差しの強いよく晴れた日だった。
始めてみる世界に瞳を輝かせ、少女は跳ねるように走り出した。
父親の仕事についてきたため、父が仕事をしている間は一人で地球と呼ばれるこの星を探検することにし、少女は町へとむかった。

ひときわ賑わう江戸、歌舞伎町へと。

少女のいた星では年中雨が降り、人々の瞳は輝きを失っていた。
少女にとって世界は灰色でしかなかった。

そんな少女の瞳に映った歌舞伎町はきらきらと輝き、まるでビー玉のように色とりどりだった。
「きれいアル。」

コンビ二、服屋、ケーキ屋、ドンキホーテ、駄菓子屋。

どこをまわってもはじめてみるものでいっぱいだった。

駄菓子屋でお菓子を何個か買った後町を歩いていると公園が目にはいった。
ブランコ、像の形をした水色の滑り台、緑色のベンチがあるだけのこじんまりとした公園。
子供は独りもいない。

傘をさすのを忘れていたため体は疲れきっていた少女はふらふらと重い足取りでベンチに向かって歩き出した。
かろうじて日陰になっていたベンチは少しだけ涼しく気持ちいい風が吹いていた。
「ふぅー。」
少女は風に身を任せ、意識を手放した。

「起きろよ。」
目を開けると一人の少年の姿が見えた。
栗色の髪に紅い瞳。
少し困ったような顔をしている。

「誰アルか。」
少女の問いに答えることなく少年は傘を差し出した。
「何で傘、、、。」
驚いて聞くと少年は瞳をそらして答えた。
「、、、暑そうだったから。」

そういわれてベンチが陰じゃなくなっていることに初めて気づいた。
頭も痛いしくらくらする。
どのくらい寝てしまっていたんだろう。
「大丈夫か?。」
心配そうに覗き込む紅い瞳に一瞬ドキッとした。

「何でもないアル。」
そういった少女の目の前に赤い箱が差し出された。
「それやるよ、食べたら元気になるから。」
それを受け取ると少年は女の人に呼ばれ何もいわずに帰ってしまった。
「あ。」
手元の赤い箱を見ると中身を取り出して口へ運んだ。
「すっぱいアル!。」
二口めを口へ運ぶとまた三つ四つと口へ運んだ。

「すっぱいアル。」
そうつぶやくと自然に笑ってしまった。
不意に遠くでパピーの呼ぶ声がした。
今度大人になってまたここにきたらまたあいつに会える気がするアル。

「会いたいアルなぁ。」

神楽は沖田と緑のベンチに座りすこんぶを食べていた。
二人はいつものようにけんかをしていたが今日は珍しく一時休戦となった。
「、、、すこんぶ王子にか。」
そいうと沖田は無表情のまま手に持っていたチューペットを食べ始めた。

「そうアル、そして再会した二人は恋に落ちる運命ネ。」

神楽の言葉に沖田は眉をしかめたが神楽は気づかず、すこんぶとかかれた赤い箱を見つめた。
名前も知らないあの少年を思い浮かべながら。

あの日から八年。
たまたま出会った少年と少女は気づかぬうちに再会し、運命の恋人、、、じゃなかった。
運命の喧嘩相手となっていた。

そして今日も二人はいつもの小さい公園で喧嘩をする。

「結婚してるのがオチだねィ。」

「てめー、いやなこと言うんじゃねーヨ、このくされドSがあああ!。」

「「おめーら公共施設こわしてんじゃねーよ!。」」

連れ帰りにきた銀時と土方に怒鳴られたのは言うまでもない。
          

運命?何それ、おいしいの?
                    FIN

あとがき

見事なぐだぐだっぷり;。
何か、泣けてきた、、、。

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