羅刹篇

□生きる道
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〜羅刹 最終章 『生きる道』〜






男児を追いかけた悠助は、目の前の光景に目頭が熱くなるのを感じた。

『悠助は強いなあ』

「父上……」

『大好きよ、悠助』

「母上……」

『ちょいと待っておくれよ』

「勒七……」

『わたくしはずっと待っておりました』

「桜……」

『ありがとう』

「綾菜……」

『かわゆらしい子を連れているじゃあないのさ』

「闇鴉……」

『助けてくれてありがとう』

「椿……」

『椿ちゃんをよろしくお願いします』

「楓さん……」

『あんた達と旅することに決めた!!』

「琴音……」


嗚呼、何と情けない
涙が止まらないのだ

気付いちゃいなかった
いや、本当は気付いていたのだ


己の真の道には、“仲間”がいることに


受け入れなかったのは……拒絶したのは……



自分だった!!




自分勝手に怯えて、一人になった



でも



決して独りではなかった





『お兄ちゃんの道は、下らない道ではないでしょう?』



 “悠助”の声が聞こえた
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