Ib trip

□近づいていく青
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小さな部屋を抜けて、マネキンがズラリと並ぶ

通路へと出てきた

一瞬だけ目に映った瞬間に背筋がゾッとなって

慌てて下を向き、目を瞑って歩き出した

おぞましい程の数のマネキンが此方を見ている気がして

今にも動き出して追ってきそうだった

(ゲルテナ、メモとゲームのイメージから

大分懸け離れたイメージになっちゃったんだけど)

服をギュッと掴んで通路を抜けていく

少し目を開けると、扉の前に紙切れが落ちていた

拾い上げてみてみると、ゲルテナからの手紙だった

次は一体何が書かれているんだろう

ゆっくりと手紙を開いていく



Wルチア

君も異変に気づき始めているだろう

わたしですら予想もしていなかった事が起きている

わたしが作り上げた作品は、君が見た物とは

全く別のものだ、そこまで怖いものは作っていない

だが、どうしてこんな事になっているのか

恐らく彼の影響なんだろうが

あまりにも変わり果てすぎている

もしそうだとしたら、気をつけて欲しい

彼の憎悪はかなり危険なものだと言える

次のフロアは、特に、な


最後に一つ、必ず彼の事を知っていると

知られないようにしてほしい

君が何をされるかわからないんだ

そして、本当の彼を見つけ出して救ってあげてくれ

W


(やっぱりこの手紙はゲルテナだったんだ

にしても、ギャリーそんなに怖い事なってるの?)


それに、本当の彼って…?


しかも作品も私が見た物と違うし

怖いものに変わってしまってるって

私が見たとはいっても、マネキンくらいだけど

そんなに無個性とか女、凄い事になってるの?

とりあえず、次の部屋は全力で扉を目指して

走らないといけないって事だね

あれ、というか手紙をくれて状況がわかるのなら

「ゲルテナもこの美術館の何処かに…?」

色々考えていたら頭がパンクしそうになった

自問自答じゃ答えなんて見つかるわけないし

先に進むしかないよね


きっとその先に答えがあるはずだから


私はドアノブを回して扉を開いた
 
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