【♂】Ib long

□変わらない日常
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「「いってらっしゃいませ」」

いつも通り学校へ通う

リムジンで送り迎えは普通

降りた瞬間に囲まれるのも普通

休憩も休憩じゃない

お昼も帰りも常に誰かがいる

いい加減独りにしてほしい


講義のときはゆっくり集中できるから大好きだ

中でもデッサンや課題の時間がなりよりも大好き

絵以外の事を忘れられるから

そんな慣れた毎日、詰まらない日常

気が休まるのは家にいるときだけ

でも夢を諦めるわけにはいかない

「…まぁ、そんなの辛いよなぁ」

穏やかな生活ができないものか


入学して2ヶ月が経ったある日

先生に1人で集中できる部屋が欲しいと頼むと

大変だったな、と快く部屋を貸してくれた

向かう途中やはり囲まれるが、先生が助けてくれた

良い人でよかった、と心底思った


部屋にいくと、驚いた

「本当にいいんですか、こんな良い所」

「いいんだよ、ゆっくりできるだろうからね」

部屋は1人暮らしでもできる程、完備だった

エアコンや冷蔵庫など色々あった

ここなら生徒もなかなか立ち入らない場所だからね

と鍵を手渡して去っていった


これからはここでゆっくりと絵が描ける

誰にも邪魔されずに、思いのままに

立ち入られないように鍵の1つは家に置こう

そうだ、明日は休みだし買出しでも行って

過ごしやすいようにしよう


と楽しく考えながらその日は帰った


少しだけ、楽しくなった日常
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