SHORT

□私で有るために…
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私は、普通ではない気がする…




こう思い出したのは
小学5年のころだった






私は、何もかも楽しくなかった


テレビを見ても

本を読んでも

お喋りしても

遊んでいても

勉強しているときも



別に友達に虐められたり、無視されている訳でもないむしろ、友達は多い方と言ってた




言ってたって他人事みたい…って思うでしょ




でも、そうなんだ
私は友達と呼べるものは居ないといつも思うのだから…








ある日
母は言ってた




「貴女は、もう少し友達とあそんできたら?」


と…………





でも、遊ぶ気はなかった



何故だと思うだろ?




理由は簡単だ
遊んでいても何も感じないからだ





楽しい思いも…





嬉しい思いも…





悲しい思いも…





苦しい思いも…




何も感じないかった

ほんとに何も………




誰とも遊ばなかった…


でも母は、私が遊びに行かないのを心配していた…


だから仕方なく、私は友達と呼べるか分からない子達と遊んだ



でも、顔に作り笑いをするだけで
心は空っぽだった









そういえば6年の時、卒業アルバムに載せる作文を書かされた事があった

その教師は
「自分が思い出に残ることを書くんだぞ!!」
と、言って
皆はてが動いていたが


私は何故か違った

何も書けなかった

何も思い浮かばないのだ


修学旅行や小学校最後の運動会やお別れ遠足など
行事は沢山在ったのに、何も……





こんな自分が嫌だった




だから、毎晩家族が寝た後台所からフルーツ用の包丁を取り出し太ももに刺すのだ


ピリと痛みが走って
どんどん
赤い…赤い血が出てくるのだ


この瞬間

私は…

生きていると実感する

こんな私でも痛みが分かる位の感覚が残ってるんだ!!
こんな私でも皆と同じ
赤い血が流れているんだ!!そう思うと…




明日も人間らしく生きようと決意するのだった










これからも、永遠に

この身が腐れ落ちるまで


永遠に………
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