〜掲示板ひだまり≪リレーSS『アブナイ☆恋のウェディング・ベル』2023/3/19更新!≫〜

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08/02(Sun) 19:11
長い〜〜;ご迷惑をおかけします;;
遅筆せつな


小春さん、大丈夫!
セツナ先生が失神してたときの周囲の会話なので、アレは同じ時間軸の別視点からお話でした。

ということで、つづき。


〜澪登場〜



「おう、ここだ!」

表で澪を待っていた泪が、その姿を見つけて手を上げる。


「ルーーーイ!迎えに来てくれたの?うれしい!」

ブロンドの髪をなびかせ、泪に抱き付く澪。


「お前、家わかんねえだろうが。それだけだ!おい、毎回抱き付くのはやめろっって言ってるだろうが!!」


「うーん、照れない照れない!で、ウチの姉は?」


玄関の辺りが騒がしい・・・。
どうやら澪が藤守家へ到着したようだ。


「セツナ姉!」

客間に寝かされていたセツナの元へ、澪がやって来た。
セツナは覚醒していたものの、恥ずかしさと居たたまれなさのせいで、どうやって目を開けようか途方にくれていた。
だが、いつまでも寝たふりをしているわけにもいかない。

セツナ
「・・・ご迷惑をおかけしてすみませんでした」

セツナはゆっくりと身を起こした。


「先生、大丈夫ですか?吐き気とかありませんか?」

セツナ
「ええ、大丈夫。ごめんなさいね、櫻井さん。藤守君も、迷惑かけて」


「全くだわ!泪から連絡貰って、驚いたわよ!まさか、家庭訪問先で発作を起こすなんて!」

賢史
「発作って、先生は、病気なでんですか?」


「そりゃあもう、はた迷惑なほど重症な、王子様シンドロ・・・モガモガ」

きゃーと悲鳴を上げながら、セツナが慌てて澪の口を塞ぐが。


「王子様シンドロームぅ?」

セツナ
「う・・・。やっぱり、聞こえてたのね」

賢史
「なんやそれ」

澪が向いた方向は、客間の入り口。
中の会話を気にするように、葵が立っている。


「その前に、セツナ姉、葵と話したの?」

セツナ
「う、うん」


「で、失神したのね?」

セツナ
「・・・」


「はぁ。まぁ、何も知らずに、いきなり葵を見ちゃったら、気が動転するのも仕方ないわよねぇ。あ、私、空間澪っていうの。空間セツナ先生のイトコで、現在同居人です。ウチのイトコがご迷惑をおかけしてすみませんでした」

何が何だかよくわからないといった顔をする生徒二人に向かって、ニッコリ微笑み、澪は自己紹介をする。


「あ、いえ」

賢史
「どうも・・・」

慶史
「ついでに、俺たち三人と同じ大学の学生だがな。泪と同じゼミ生だとは、偶然だが、幸運だった」

慶史と葵が連れだって客間に入って来た。
慶史は葵に支えられ、右脚をヒョコヒョコさせて歩いているのが痛々しい。


「ホント、セツナ姉が、泪の弟の家に家庭訪問に行ってるなんて。倒れたと聞いて、すぐ理由が分かったわ。
この人ったら、特定の王子様にのみ反応するセンサーが脳内にあって、刺激が強すぎるとショートしちゃうという残念なイトコなの」

続いて、わらわらと中学生たちも顔を覗かせる。


「やっぱり、葵兄さんが犯人だったね」


「人聞きの悪い」


「あはは、間違っちゃいないけど。厳密に言うと、葵と、セツナ姉の王子様がそっくりなんだよねー。葵を見て、驚いたんでしょ。倒れたのって、3年ぶりくらいじゃない?」

公平
「そんなに、葵兄さんに似てる人がいるんだ?芸能人?写真ないの?」

賢史
「おー、見てみたいわ。興味ある」


「そう?ハイ、コレ。セツナ姉のスマホの待ち受けは常に王子様コレクション。ちなみに、芸能人では無く、セツナ姉の高校時代の元教師で、初恋の人」

セツナの鞄からいつの間に出したのやら、澪の手には、セツナのスマホが握られていた。
ピピツと操作して、写真を表示したものを掲げる。

公平
「見せて見せて!!」

セツナ
「あーーーーーっっ、私のスマホ!!澪!!あなた、どうやって暗証番号をっっ」


「だって、王子様の誕生日でしょ?」

セツナ
「〜〜〜〜〜」

誠臣
「まるで、泪兄さんの女性版のような、悪魔の所業だ・・・」

人の弱点を容赦なく抉る澪に、口をハクハクさせて為すすべもないセツナを見ていた誠臣が、思わず呟くいた。

公平
「うっわ〜〜〜!マジで激似!!」


「誠臣、コイツと一緒にするな。でも、こりゃすげえな・・・」

泪が、公平からスマホを取り上げ、葵と見比べるようにスマホの画面を眺める。
その横から、覗き込むように顔を寄せ、画面を見た慶史も葵も驚いたようだ。

慶史
「こ、これは、なんと」


「うーん、自分でも、ちょっとびっくりだ」

子供たち
「これ、葵兄ちゃんじゃないの?」

賢史
「歳はちょっと上なんやろうけど、パッと見うり二つやね」


「本当だ・・・」

それに、子供たち、生徒二人が続く。


「あ、二人とも、これはここだけの秘密にしてやってね〜」


「ハ、ハイ」

賢史
「ウス」


「イイコたち」ナデナデ

セツナ
「澪〜〜〜〜!!!」

そう言いながら、二人の頭を撫でる澪に、ブチ切れ寸前のセツナだった。



まだ続くよ;;

[削除]

08/04(Tue) 21:52
〜家庭訪問?〜
せつな


続きです




誠臣
「ま、まあまあ。夕飯ができたので、良かったら先生も、その、澪さんもいかがですか?」


誠臣君が大きなお盆を抱えてやって来る。
客間の大きなテーブルの上に、料理を並べ始めた。


「えーー!ラッキー!」

セツナ
「澪!なに喜んでるのよ!これ以上迷惑かけられないわ」


「いいじゃん、良い匂い!」

セツナ
「ダメ!家庭訪問先では、原則飲食禁止なの」


「あー、大丈夫。泪と葵と、えっと、慶史は大学のトモダチだから。友人宅で私と私のイトコが夕飯に招かれたのよう!それならいいでしょ?」


「ブッッ!お前、そういうところは頭が回るな」


「俺、トモダチなの?」

慶史
「・・・俺もか。・・・そ、そうかそうなのか」


「うっわー、すごい!美味しそ〜〜!!つか、君もツインズの弟クンだけあって、すごいイケメンだね。もしかして、この料理・・・」

とも
「これも、ど・う・ぞ!!」

誠臣に手を出すな、といわんばかりのオーラを纏わせて、中学生くらいの女子生徒が澪の前に大皿をドンと置いた。

誠臣
「・・・とも。すまんが、子供たちを頼む。ダイニングで食わせてやってくれ。お前も一緒に食えよ」

とも
「・・・わかった。任せてください。ほら、小春ちゃん、太郎君、おいで。こーちゃん!諒さんも」

ともと呼ばれた少女の頬が、ポッと赤らむ。
しかし、すぐに誠臣の意図を汲み取った返事をして、周囲で騒ぐ小学生たちを連れ出て行く。

公平
「え〜、俺も?」


「当たり前だよ、結局、まだ家庭訪問の目的である保護者面談は終わってない。俺も公平も中学生以下は用無し」

ようやく、部屋の人口密度が少なくなった。
とは言え、襖一枚挟んだ隣のダイニングからは、『すげーうまそー』とか、『葵兄ちゃんのそっくりさんって、先生のカレシなのかな〜』とか、『しー!聞こえるよ』とか。

・・・ハッキリ言って、会話が丸聞こえだ。

慶史
「ゴホン。あー、なんだ、その・・・」

誠臣
「どうぞ、召し上がってください」


「じゃ、遠慮なく!いただきまーす!!」

慶史
「おい、俺の話を聞け!!」


「食べながらでいいじゃない。先生、二人の学校での様子はどうなんですか?」

葵が、語り掛けてくる。
思わず、顔が赤くなるが、仕事だ仕事。
しっかりしなくちゃと自分に言い聞かせながら、セツナは皆に向かって話をした。

セツナ
「え、ええ、特に問題になるようなことはありません。2年生は進路を考える大事な時期なので、櫻井さんの事情が気になったのですが、・・・こうやって、ご兄弟皆さんのしっかりした対応を見て、安心しました」

賢史
「いや〜、どうなることかと思ったけど、これで一安心や。な?櫻井」

セツナ
「あ、賢史君は、もう少しお勉強に力を入れた方がいいわね。部活と両立するようにしていかないと、希望の大学進学は厳しくなってしまうわよ?」

慶史
「ほらみろ!お前が、せっかくの塾を三日で辞めてしまうからじゃ!」





*送信したら、『長すぎ』と注意されました;;

変なとこですが、ここで続く。

[削除]

08/04(Tue) 21:54
〜家庭訪問? 続きですよ(。-`ω-)〜
せつな



「・・・翼、お前の進路はもう決めたのか?」


「う、うん。一応、このまま桜大学へ進学しようと思ってるんだけど・・・」

セツナ
「櫻井さんなら、今のペースで学習を進めていけばいいと思います。頑張りましょうね」


「は、はい!ありがとうございます」

よかったなと、泪と翼が目線だけで頷き合う。

やっぱりだ・・・。
さっきも感じたが、どうやらこの二人には、家族以上の親密な信頼関係というか愛情のこもった雰囲気を感じる。

二人の纏う空気感が柔らかくて、見ているこっちが微笑んでしまいそうだ。


「ふーん・・・」

澪のつぶやきが聞こえた。

『私の狙いはコッチの金髪碧眼のほう』
確か、そんなことを言っていたような気がする。

澪の心情を思うと、イトコとして複雑な気分になった。



「セツナ姉の、先生らしい姿を始めて見たわ。海の向こうで王子様先生も喜んでるんじゃない?」

セツナ
「もう、澪ったら・・・」


「・・・セツナ先生、俺の写真は、役に立ちましたか?」

顔を上げると、葵君が澪の反対側の隣にやって来て座っていた。
考え事をしていたせいで、気付くのが遅れたのだ。

ちっ、近い近い近い!!
別人だと分かっていても、心臓に悪い。

おまけに、写真のセミヌード姿を思い出して、一気に頭に血が上った。

セツナ
「み、澪ったら、はしたないお願いをしたみたいで、ご、ご、ごめんなさいね。おまけに、他人の空似で失神されて、あなたも驚いたでしょう?」

ぐるぐるする頭をなんとか押し留めて、必死に答える。
澪が横から、私のせいにしないでと騒ぐけど、構う余裕がない。


「・・・いいんですよ。センセイ、その人のこと今でも好きなんですね。一途で可愛いな」

セツナ
「えっっ?」

私の瞳を覗き込み、甘い声で囁く小野瀬先生、・・・じゃなかった!
別人!別人!!別人だから〜〜〜〜〜!!!

ふら〜〜〜っっと、再び気が遠くなりそうなセツナの背中を、隣から澪がバシンと叩く。

セツナ
「い、いっった〜〜」

・・・助かった。
けど、そんなに強くたたかなくったっていいのに。
さっき、澪に半分責任を擦り付けた報復かしら。


「葵、失神の原因を確認したいのは分かるけど、担いで帰るのは私なんだからやめてよね」


「あっはっは!ごめん。でも、本当なんだね。その人といい泪といい、ちょっと羨ましいかも」


「は?何が羨ましいって??」

何でもないよと、葵君は誤魔化したけれど。


・・・もしかして葵君は、澪の意識を、櫻井さんと泪君からそらした?


葵君は知っているのか。
櫻井さんたちの関係と、澪の気持ちを・・・。


ひとつ深呼吸をしてみた。

この子たちは、
ほとんど兄弟だけで暮らしているだけあって、
兄弟それぞれが思いやりと責任感を持ち、助け合って生活しているのだ。


家庭訪問をして、それが分かって本当によかった。

私は、今、この子たちを預かる立場なのだから、
姿形が似ているからと言って、いつまでも高校時代の感傷に浸っている場合じゃない。
しっかりしなくては。


さて、今日の保護者代行である慶史さんに挨拶して帰ろう。

そう思って立ち上がったところで、隣のダイニングルームからの会話が聞こえて来た。


小春
『あの先生、葵兄さんのそっくりさんのこと、気絶するくらい大好きなら、結婚すればいいのにね』

公平
『好きだからって、全員、結婚できるわけじゃないよ』

小春
『あ、もう、フラれて、別の人と結婚してるとか』

太郎
『大人の事情があるんじゃないですか』



子供の声は、高い。

一瞬にして客間が静まり返る。


ませたことを考える年頃なのだ。なんだけど・・・。

襖越しに、良く通る声で、ぐっさりと致命傷を与えられ、立ち上がりかけた膝がガックリと折れた。





「こっ、こはるーーーーーーーっっ!!!」


櫻井さんが真っ赤になって大きな声を出す。

ああ・・・、大人びて見えるけど、この子も普通の女子高校生だったんだなー。よかったなー。あははは・・・。




慶史
「・・・あ、あの、何というか・・・」

セツナ
「き、今日はありがとう。かえって迷惑をかけてしまってごめんなさいね」

一同が見送りに出てきてくれた玄関先。
澪に支えられながら、ふらつく足取りで藤守家を後にする。


私の方が教えてもらうことの多かった家庭訪問は、こうして幕を閉じたのだった。





というわけで、一旦〆(V)o¥o(V)

こはるちゃんに鋭い指摘を頂きましたありがとう。
コレ、セツナにとっては大事なフラグなので、わざとです。
小春さん、こはるちゃんを勝手に使ってごめんなさい〜〜(∩´∀`)∩

澪さん、どんどんワタクシのキャラとして活躍いただいてますが、このままだと、また、ワタクシにいいように書かれてしまいますわよ〜〜|д゚)ウフフフv


では、では、長々引っ張りましたが、家庭訪問編終了。次回、大学生編は、〜澪の恋〜へと進む(のか?)


皆様の、小・中・高校生の恋路も、楽しみにしてますね!!!


ここで、パース( ΘωΘ)ノ⌒○~*

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08/07(Fri) 08:17
せつなさん、ありがとうございます(´ 3`)
小春


さて、無事に家庭訪問も終わったので、季節に合わせて一気に夏へ飛びますよ!

みんなついて来てね!

あっ、5月に小学校の運動会があったはずだけど、既に終わったという事でお願いします(´∇`)ゞ



〜夏も藤守家はイベントがいっぱい?〜


夏。

小・中学生、高校生、大学生の順番で、藤守家にも夏休みがやって来た。

朝一番早く起き出すのは、休みでも変わらず、朝食の支度をする誠臣。

次いで、ラジオ体操に出掛けてゆく小学生の小春と太郎。

その二人が帰って来る頃に、眠い目をこすりながら、半分寝たまま朝食を食べた賢史が陸上部の、同じく公平が柔道部の朝練の為に、それぞれ登校してゆく。

翼が誠臣の家事を手伝いながら、残る諒と、三人の大学生に声をかけて起こし、夏休みの一日が始まるのだ。



小春
「お姉ちゃん、夏祭りに連れて行ってくれる約束、大丈夫?」

夏休みに入ってから、小春にこの質問をされるのが、翼の日課になっていた。

大丈夫だよ、と、洗濯物を干しながら、翼は笑う。

この返事をするのも今日が最後だ。

何故なら、夏祭りは今夜なのだから。

朝からすっきりと晴れて、天気予報の降水確率は0%。

絶好の祭り日和だ。


「その代わり、今日の分の宿題は、ちゃんと終わらせるのよ?」

小春&太郎
「はあい」

庭先の勉強部屋で、小春と太郎が元気よく返事をした。




「支度出来たか」

夕方、小春に浴衣を、太郎に甚平を着せてやり、自分も浴衣に下駄を突っ掛けて玄関を出た翼は、庭先で誠臣と立ち話をしていた泪の姿に息を飲んだ。

誠臣が着せてくれたのか、すらりとした長身に濃紺の浴衣を着た泪が、腕組みをして待っていたのだ。

泪は泪で翼の浴衣姿に見惚れていたのだが、翼は気付かない。

太郎
「泪さん、格好いいです」

翼の心の声を代弁したような太郎の声に、翼と小春は大きく頷く。


「そう?ありがとう」

イイコイイコ、と言いながら、泪が太郎の頭を撫でた。

外出するからなのか、泪の口調は既におネエになっている。

それだけを残念に思っていると、太郎と手を繋いだ泪が、顔を上げてこちらを見た。


「行きましょうか?」


「はい」

小春
「はーい!」

隣で元気よく返事をした小春が、伸ばされた泪の手を握った。

泪のもう一方の手は、同じく小学校の太郎の手を握っているのだから、考えてみればごく自然な流れなのだが……

一瞬でも、泪の手は自分に向けられたものだと思ってしまった事が恥ずかしい。

すると。

小春
「お姉ちゃん」

小春が、たった今握った泪の手を引っ張って、翼の手と繋がせた。


「えっ?」

小春
「早く行こう?」

そうして、小春はもう一方の翼の手を握る。

太郎、泪、翼、小春、という順番で、四人は横並びに手を繋いだ。


「……」

翼が、自分の左手を握り締めた妹の小さな手の暖かさを感じながら頭の中を整理していると、右手が、大きな手に引かれた。

泪の手が一旦離れ、今度は、二人の手のひらを合わせ、指を絡めるような繋ぎ方に変わる。

これって、

……恋人繋ぎ……

ドキドキしていると、繋いだその手に、きゅ、と力が籠められた。


「はぐれるなよ」

一瞬だけ、泪の声が男に戻った。


「……はい!」

後で行く、と言う誠臣に見送られて、翼たちは、祭り会場である河川敷に向かった。



ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒○

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08/09(Sun) 08:37
高校生組
ジュン


泪たちが家を出た頃、祭り会場にはすでに賢史の姿があった。

陸上部の仲間たちと祭りに来ているのである。

「藤守、気合入ってんな。」

そうからかわれるのは泪と同じく誠臣に着付けてもらった浴衣のせいだ。

高校生男子が賑やかに祭りを回っていく。

「おい、あそこにいるの女子とマネージャーじゃないか?」

言うが早いかその友人は女子のグループに声をかける。

「先輩たちも来てたんですね。」

どの子も可愛く浴衣を着こなしている中、賢史は一人に見惚れていた。

ジュン
「藤守先輩、こんばんは。」

賢史
「おお……可愛らしいな……」

つい言葉が漏れる。

ジュン
「あ、ありがとうございます。」

二人で向かい合ってお互いに顔を赤くしている賢史とジュンを回りの友人たちはにこやかに見守っている。

「せっかくだし、一緒に回ろうぜ。」

「賛成〜」

皆が歩き出すのに合わせて賢史とジュンも歩き出す。

人の波の中で時折触れるジュンの体に賢史は顔を赤くした。



久々にジュン登場!

お祭りは始まったばかり。
何が起こるのかなぁ。

ここでパースヽ( ̄▽ ̄)ノ⌒〇

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