非公式☆Twitter
こちらは、アブ☆恋の登場人物たちとTwitter風に対話してみよう!という企画から始まったコーナーです。
現在は不定期更新、のはずが、ほとんど毎日更新中。
誰が登場するかはその日の気分次第です。
書き込む方は当番のキャラの呟きにツッコミを入れたり、質問したり、他のキャラを乱入させたりしてお楽しみください。
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※番外編紹介では内容を要約していますので、セリフや文脈などはオリジナルに忠実でない場合があります。ご購買の参考程度にお楽しみください。
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非公式☆Twitter2001〜
◆小笠原さんと年末年始〜番外編「新年も彼といっしょ」より〜
終業後に電話をかけると、小笠原さんは1コールで出てくれた。
小笠原(電話)
『何?』
「特に、用事はなかったんですけど……」
声を聞きたかっただけ、なんて言ったら、小笠原さんは怒るかもしれない。
『……俺の家に来て、ご飯食べない?待ってるから』
(もしかして、会いたいって私の気持ち、分かってくれたのかな?)
そう思ったら……嬉しくて、笑みが零れた。
小笠原さんは、ヘルシーで美味しい料理を作って待っていてくれた。
食事をしながら、初詣警備の話、そして年明けの話になる。
小笠原さんは、ご両親がフランスから帰国するので、今年は名古屋のご実家に帰省するそうだ。
(しばらくは会えないのかな)
自然と下を向く私に、小笠原さんが名前を呼んだ。
「僕と会えなくなるの、寂しい?…僕は、きみと会えないのは、寂しい」
小笠原さんの小さな声が、鼓膜を震わせた。
「帰りを待ってるね」
「電話する、メールもする。離れていても、僕は、きみ一筋だからね」
口元に笑みを浮かべ、小笠原さんは私にそっとキスをくれた。
*****
大晦日。
初詣警備で私が組む事になったのは、室長。
穂積
「いい? 私と組むからには、ミスは許されないわよ」
「はい!」
背筋を伸ばして返事をすると、室長は大きく頷いて、早速警備の任務に取り掛かった。
穂積
「それにしてもこの人たち、こんなに人の多い所まで、遠くからわざわざ来て、疲れて。バカらしいわね」
室長は、周りにも聞こえそうな声で、ヒヤヒヤするような事を言う。
穂積
「まあいいわ、行くわよ」
仕事だと割り切ってはいるものの、どうやら不機嫌そうだ。
歩くのが速くて、いったん人混みの中で離れてしまうと、なかなか追いつけない。
室長を追い掛ける途中、私は、赤い顔をした青年に呼び止められた。
青年
「ねえ、おねーさん。可愛いねー。デートしよーよー」
「いえ、勤務中ですので。…あなた、酔ってますね?救護室に行きましょう」
青年
「いーじゃん、行こうよー。そんなつれないこと言う口は、キスで塞いじゃうぞー!」
青年は私の手を掴むと、いきなり引っ張り始めた。
「離して下さい!」
必死に離そうとするけど、凄い力。
(どうしよう、助けて、諒くん……!)
穂積
「うちの櫻井に触れるんじゃねえ」
ドスの効いた低い声が響いた、次の瞬間。
青年の姿が消えた。
室長、見事な背負い投げ!
「室長!」
穂積
「大丈夫?変なことされてない?」
「は、はい。私より、あの人が大丈夫ですか?」
穂積
「大丈夫よ。だって勤務中に妨害してきた一般人は、公務執行妨害で逮捕出来るんだから」
心配なのはそこじゃないです。
でも、いい笑顔の室長を目の前にすると、何も言えなくなってしまった。
穂積
「青年。アンタ、どこに行きたいんだっけ?」
青年
「きゅ、救護室です!」
青年は逃げるように、救護室へ向かって去っていった。
穂積
「まったく。私が仕事してんのにお神酒飲むとか、ムカつくわ!」
(本音出てますよ、室長…)
*****
続きはまた後で…
2016/01/14(Thu) 14:24
コメント(3)
◆如月さんと年末年始〜番外編「新年も彼といっしょ」より〜
終業後、私は如月さんと待ち合わせをして、二人でよく行くレストランで食事をする事にした。
「初詣警備がなけりゃ、オレ休みだったのになあ」
「そういえばそうだったね」
先に着いていた如月さんは、初詣警備のせいで休みの予定が潰れたと不満顔。
如月
「……じゃあさ、警備の後、一緒に初日の出見ない!?」
「うん、構わないけど」
如月
「やった! 約束だよ」
「うん」
如月
「翼ちゃんとの約束があれば、オレも仕事頑張れそうだよ」
如月さんは私の手を愛しそうに見つめ、指先にそっと唇を寄せた。
「こ、こーちゃん……っ」
如月
「大丈夫。ここは、他の客から見えないようになってるから」
「そういう問題じゃ……」
如月
「小春ちゃんの困った顔も、照れた顔も好きだから。ついからかいたくなるんだ」
「もう…」
すっかり機嫌が直った如月さんは、笑みを浮かべてワインを一気に飲み干した。
*****
そして、時は過ぎ……12月31日。
初詣警備で私と組むのは、藤守さんだ。
藤守
「あまり俺と離れるなよ。ごちゃごちゃしてて歩きにくいからな」
「はい。確かに……すごい人ですよね」
軽く話しながら歩いていると、遠くから何やら声が聞こえてきた。
藤守
「ん? 向こうが騒がしいな」
「本当ですね。何かあったんでしょうか」
藤守さん先導で駆けつけると、境内の脇で数名の若者が酒を飲んで暴れていた。
藤守
「……おい、お前ら!」
若者
「あれ、……もしかして、藤守さん?」
若者たちは、藤守さんの顔を見て態度を一変。
若者
「藤守さん!」
「その節は、大変お世話になりました!」
全員整列して、深々と頭を下げた。
藤守さんが私を振り返る。
藤守
「こいつら、俺が少年課にいた時に補導した連中や。十分反省してたし、鑑別所送りはやめといたんやが……」
藤守さんの鋭い視線が、若者たちに向けられる。
藤守
「今度は、しっかりと痛い目見た方がええみたいやな」
若者
「ひっ!そ、そんなこと言わないで下さいよ〜」
「あ、謝ります! もうしませんから!」
藤守
「俺に謝っても意味ない。……まずは、お前らが汚したところの掃除。あと、神主さんに謝れ」
若者
「はい!」
藤守
「それから……櫻井、何かあるか?」
「でしたら、私たちの仕事を手伝ってもらいましょうか?」
藤守
「それはええな!人手不足って室長もボヤいてたしな」
若者
「でも、何を?」
「酔っ払いの人を見つけたら、救護室まで連れていって下さい」
藤守
「後、ケンカしそうなヤツらを仲裁する」
「ちょっと危ないですけど、大丈夫ですか?」
若者
「了解です! 姐さん!」
「あ、あね、さん?」
その後、若者たちは、それぞれ散らばっていき、そして、しっかり働いてくれた。
藤守さんの解散の声がかかると、若者たちは頭を下げて去っていった。
藤守
「俺たちもそろそろ戻るか」
「そうですね」
藤守
「早く戻って、あったかーい甘酒飲みたいわ〜」
寒そうに身体を震わせ、私たちは待機所へと戻った。
*****
続きはまた後で…
2016/01/13(Wed) 08:43
コメント(5)
◆藤守さんと年末年始〜番外編「新年も彼といっしょ」より〜
終業後、私は藤守さんに電話して、迎えに来てくれた彼の車に乗った。
藤守
「俺ら、今年の年末年始は休みなしやな。大晦日から初詣警備、年明けすぐに地元の交通安全講習」
そう。
私と藤守さんは、室長から、年始イベントに含まれる交通安全講習の担当に指名されていたのだ。
でも、そこは藤守さんだから、「でも相手がお前ならええわ」とか「終わったら一緒に初詣でも行こか」「おしるこ食おか」などと言って笑わせてくれる。
「私、賢史くんと一緒なら、どこへでも行くよ」
私がそう言うと、藤守さんは照れたように苦笑した。
「あのな、今日はお前から電話くれたけど、いつもは、俺からお前に電話するやろ。それ、お前に会いたいって気持ちを、止められんからや」
「え……?」
「俺は、お前が思ってるよりも、ずっとお前のことが好きなんや」
藤守さんの気持ちに、胸が熱くなる。
藤守
「何か、こういうのって言葉にすると照れくさいな」
「でも、すごく嬉しいよ。賢史くんからこんなに愛されてるんだって……すごく伝わってきた」
「そっか。やっぱり、お前と一緒にいると、すごい幸せ」
呟きながら、藤守さんは片手をハンドルから離し、私の手を握った。
「絶対、この手は離さんからな」
私が頷くと、そのまま軽くキスされる。
「もう……運転中なのに」
「赤信号だから大丈夫」
子どもっぽい笑みを浮かべ、またキス。
恥ずかしいけどそれ以上に、藤守さんが唇に触れるのが嬉しい。
「続きは食事の後でな」
信号が変わる瞬間、藤守さんはもう一度、頬にキスをくれた。
*****
大晦日。
「今日はよろしくね」
私の相手は、小野瀬さん。
「こちらこそ、よろしくお願いします」
小野瀬
「境内に向かって、かなりの人が来てるな……」
「毎年、こんなに参拝客が来てたんですね」
「初詣は本来、その家の長が我が家の無病息災を祈願するため、大晦日の夜から元旦の朝まで、氏神の社にこもる習慣のことなんだけど」
「そうだったんですか!?」
「ああ。それが次第に、大晦日の夜と元旦の朝、別々に参るようになってきて……」
小野瀬さんの初詣の話はとても詳しくて、ついつい夢中になってしまう。
気付けば、いつの間にか私たちは、参拝客に囲まれていた。
小野瀬
「あ、あれ?」
それでも、周りから次々と発せられる質問に、小野瀬さんは丁寧に答えていく。
「小野瀬先生ですね」
「こーら。年上をからかうんじゃありません」
でも、小野瀬さんはどことなく嬉しそうだ。
けれど次の瞬間聞こえた声に、私たちは固まった。
穂積
「アンタたちの仕事は、仕事中に話し込んで、人だかりを作る事だったかしら?」
現れたのは、室長。
「す、すみません」
「彼女は悪くないよ。ごめん、ごめん」
「ごめん、で済むか!」
怒り心頭の様子の室長に、小野瀬さんはゆっくりと逃げる体勢。
(もしかして……)
そう思った矢先、小野瀬さんは室長に背を向けて走り出した。
穂積
「おい、待て!」
小野瀬
「お説教はまた今度な」
穂積
「小野瀬ー!」
室長の叫び声は、夜の闇に響き渡った。
*****
続きはまた後で…
2016/01/12(Tue) 06:53
コメント(4)
◆小野瀬さんと年末年始〜番外編「新年も彼といっしょ」より〜
小野瀬さんは、上司から初詣警備への協力を命じられた、と溜め息をついた。
現在も事件を抱えて忙しく、既に5日間泊まり込み、2日間徹夜だというのに、年末年始まで…。
私は小野瀬さんの身体が心配になってしまう。
それでも、久し振りに帰宅した小野瀬さんは、私の膝枕で、疲れた顔を綻ばせた。
「ねえ、きみさえよければ、正月明けの休みに、一緒に温泉旅行に行かない?」
「はい、行きたいです」
小野瀬さんは起き上がると、私に向かって笑みを浮かべた。
小野瀬
「よし、決まりだね。来年は、まず俺と温泉旅行。約束だよ」
頷く私に、小野瀬さんの温かいキスが降り注いだ。
小野瀬
「きみの好きなところに連れていってあげるね」
小野瀬さんは耳元でささやきながら、包み込むような口付けを落とした。
*****
大晦日。
小笠原さんと組んで神社の初詣警備をするはずの私は、まだ、捜査室にいた。
「あの…小笠原さん?」
「ナナコで神社付近の監視カメラの映像を確認してる。
わざわざ現場に行かなくても、こちらから映像で参拝客を監視し、神社にいる人員に指示を出せば早いだろ」
「…なるほど。さすが小笠原さんですね」
小笠原
「少し考えれば、すぐ分かる」
「小笠原!」
室長の怒りに触れ、私たちは結局神社で警備することになった。
小笠原
「……」
「……小笠原さん、まだ拗ねてるんですか?」
小笠原
「拗ねてない」
そう言いながらも、小笠原さんのほっぺは膨れている。
(その顔、拗ねてますって)
苦笑する私に、小笠原さんは顔をそむけた。
それにしても、すごい人混み。
人嫌いの小笠原さんには辛いはずだ。
体調を崩されたら気の毒だから、無理しないようにと言ってみたけど、小笠原さんは、私だけにやらせるわけにはいかないと言い張った。
小笠原
「人の少ない所を歩けば、問題ない」
「あの、人の少ないところじゃ、警備の意味がないんじゃ……」
小笠原
「人の少ないところには、酔っ払いや不良が溜まりやすい」
「あ……なるほど」
納得する私を置いて、先に歩き出す小笠原さん。
私は、慌てて後を追いかけた。
それから私たちは、あくまでも人の少ない場所を警備。
そこに酔っ払いがいれば救護室に運び、若者たちを取り締まっていった。
だけど、境内に近付くにつれて、徐々に人が多くなってくる。
小笠原
「……こんなはずじゃなかったのに……」
計算違いのことに、小笠原さんの顔色が悪くなっていく。
「やっぱり戻りましょう。蒼ざめてるじゃないですか」
小笠原
「ごめん……」
「すみませーん。通してくださーい」
声を上げながら、小笠原さんを連れていく。
けど、逆走する私たちに、参拝客は優しくない。
「お、お願いします。少し通して……っ!」
小笠原
「……吐きそう……除夜の鐘が聴こえる…」
「もう鐘なんて鳴ってないですよ!頑張って!」
人混みに飲まれて警備どころじゃない。
私は、真っ青な顔の小笠原さんを抱え、救護室へ向かった……。
*****
続きはまた後で…
2016/01/11(Mon) 09:43
コメント(6)
◆明智さんと年末年始〜番外編「新年も彼といっしょ」より〜
捜査室では初詣の話題が出たものの、私と明智さん、二人のプライベートでの年末年始の予定はまだ何も無かった。
実はクリスマス以来、明智さんとは一緒に食事もしていない。
別に喧嘩したわけではなく、ただ明智さんが多忙だという理由でだった。
「ちょっと、私用があってな」
失礼かもしれないけど、明智さんの家庭環境と彼の役割を考えれば、忙しいのも無理はないと私は思った。
それでも、三が日を過ぎたら初詣に行こう、と、明智さんは約束してくれた。
その約束を楽しみに、私は、大晦日からの初詣警備を乗り切ったのだった。
*****
初詣警備から、数日後。
お互い、年末年始は家族で過ごす決まりだから仕方ないとは言え、やっぱりそろそろ明智さんに会いたい。
(新年は毎年、朝から晩までお姉さんたちの酒飲み相手をさせられるって言ってたけど…)
お父さんの視線を気にしつつ、明智さんの事ばかり思いながら携帯を撫でていると。
不意にそれが鳴り出して、私は慌ててリビングから少し離れた。
ディスプレイには、明智さんの名前。
明智(電話)
『お前に会いたくなったんだ。都合がよければ、俺の家に来ないか?』
「行く!」
私は即答していた。
お父さん、ごめんね行ってきます。
「あけましておめでとう」
「あけましておめでとうございます…お姉さんたちは?」
「ハワイ旅行だ。急に言い出すから、送り迎えでバタバタしたよ。でも、おかげでお前を家へ呼べた」
明智さんは嬉しそうに笑い、キッチンへ向かった。
なんと私の為に、おせち料理を作ってくれているのだと言う。
それなら一緒に作ろうという事になり、明智さんに教わりながら、栗きんとんや昆布巻きを作る。
何だか新婚さんみたいで、楽しい。
途中、明智さんは私に、紙袋を手渡してくれた。
「俺からお前に、お年玉」
「え?」
それは、色鮮やかな着物だった。
「せっかくの正月なんだ。お前に、着物を着てほしくてさ。俺が縫った」
「まーくんが!?」
クリスマスの後から取り掛かって、今日仕立て上がったという。
だから、忙しかったんだ……
「浴衣の応用だ」
明智さんは謙遜するけど、凄すぎる。
「ありがとう」
私がお礼を言うと、お互いに自然と顔が近付き、そのまま口付けを交わす。
明智さんのキスは、さっき味見した栗きんとんの甘い味がした。
「ほら、着物に着替えてこい」
「う、うん」
胸のときめきを必死に抑えながら、私は言われるまま、寝室で着替えてきた。
着物なんて着慣れないから、苦労したけど……。
「うん、似合う」
満足そうな明智さんの顔に、ほっとする。
「おせちを食べたら、初詣に行こう」
「うん」
「着物を脱がせるのはその後で、な」
その、後……
どうなるか分かるから……顔が熱くなった。
「そんな赤い顔をするな。今はまだ、しないから」
「もう」
私たちは笑い合いながら、テーブルに向かい合って、手に持ったグラスを、傾けた。
「今年もよろしく」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
合わせたグラスの立てた涼しげな音が、部屋に響き渡った。
〜終わり〜
2016/01/10(Sun) 16:44
コメント(6)
◆プロローグ〜番外編「新年も彼といっしょ」より〜
12月末。
捜査室では各自がやるべき年末整理も無事に終わり、気分は早くも正月気分。
取り立てて急ぎの案件もなく、捜査室内はダラけ…少々気が抜けてしまっていた。
勤務中だというのに、藤守さんや如月さんは大きな欠伸を繰り返し、小笠原さんはその回数を数えている始末。
明智さんや室長は、呆れ顔で溜め息をついた。
穂積
「……まあ、この時期は仕方ないわね」
翼
「そうなんですか?」
明智
「幸い、大きな事件が廻って来ないおかげで、今うちは通常業務だけだからな。年末年始は、交通安全なんかの教室も開かないし」
でも、テレビでは相変わらず、殺人だの自殺だのというニュースが流れている。
実際、捜査一課も鑑識も忙しそうにしているのに、こんなにのんびりした気分でいて、いいのかしら。
そう思った矢先、電話が鳴った。
電話に出た室長の顔色が変わる。
明智
「室長、仕事ですか?」
穂積
「……最悪よ」
室長は深いため息をついて、受話器を置いた。
穂積
「都内にある神社の、初詣警備の仕事が入ったわ」
「え!?」
室内がざわめいた。
穂積
「年末なのにやけにヒマだと思ったら…押し付けられたかしら」
翼
「初詣警備って、何ですか?」
穂積
「文字通りよ。31日の夜から、元日の明け方にかけて、神社に初詣に来る参拝客の警備に当たるの」
藤守
「マジっすか?!」
穂積
「マジよ。明日の午前中に資料が届くから警備計画書を確認して会議。それから会場確認と……」
室長が忙しく動き出した。
明智
「つまりこれから……休みなし、ですか」
穂積
「そういうこと。小野瀬、アンタも…」
小野瀬
「俺は行かないぞ。鑑識の仕事で手一杯なんだ」
応えたのは、入って来るなりソファーに倒れ込んでいた、小野瀬さん。
小野瀬
「いつも俺が手伝うと思ったら、大間違いだぞ」
穂積
「でも、今回はうちをメインにして、各課からも数人の応援を出すことになってるそうよ」
小野瀬
「まだそれが俺って決まったわけじゃないだろ。不吉なこと言わないでくれ」
小野瀬さんの笑顔は、引きつっている。
そうなるかもしれないって、思ってるのかも。
小野瀬
「当日、俺は一般人として、頑張ってるお前たちに焼きイカをおごってやる」
如月
「いいですね!」
穂積
「勤務中よ。いいわけないでしょ」
藤守
「ほな、甘酒とか」
穂積
「ワタシ甘酒嫌い」
明智
「せっかく朝方までの勤務なら、初日の出くらい見たいな」
藤守
「俺も見たいっす」
仕事があっても、楽しもうとするのが、この捜査室メンバーのいいところ。
小野瀬
「甘酒は俺も飲めないけど、おしるこがあるかもな」
如月
「食べなきゃやってられないですよね。ね?翼ちゃん」
翼
「そうですね」
穂積
「まったく……まあ、初日の出くらいなら、いいかもね」
呆れながらもOKを出してくれる室長に、みんなで顔を見合わせて笑う。
それにしても、彼と出会ってもうすぐ一年。
一緒の年越しが、まさか、年越し警備の仕事になるとは。
私は捜査室でみんなの談笑に加わりながら、ひそかに彼の姿を目で追っていた……。
*****
今日はここまで……
2016/01/09(Sat) 15:10
コメント(3)
◆出張Twitterこたつ部屋
こんにちは。
こたつの王様穂積泪よ。
突然ですが本日のTwitterは、鹿児島の穂積家からお届けしています。
話せば長くなるけど、実は、今朝、時間が取れたから、櫻井の実家に新年のご挨拶に行ったのよ。
そしたら、判事にいきなり「穂積お前、鹿児島のご家族の所には年始に行ったのか?」なんて訊かれて。
「いやまだです」って答えたら、叱られたわ。
「私の所など来なくていいから、翼を連れて鹿児島へ行け!」よ。
判事にそう言われたら、もう、そうするしかないでしょ。
うちの親に気を遣って下さったのか、ワタシを家から追い出したかったからなのか、真意は分からないけど。
たぶん両方ね。
で、急遽飛行機よ。
櫻井と小野瀬をフル稼働。
だってワタシ、チケットの取り方とか知らないし。
どうして知らないんですか、って聞いたら、なぜか小野瀬さんが私に平謝りしてくれましたよ。
その手の手続きはいつも、小野瀬がワタシの分まで率先してやってくれるから。
(ああ、文句を言いながらも、室長の為に甲斐甲斐しく世話をやいてきた小野瀬さんの姿が簡単に想像出来る。
……もしかしてこれからは、そのうちの何割かが、私の仕事になるのかしら……)
結局、鹿児島に着いたのは昼過ぎになっちゃったけど、翼を連れて帰ったら、両親も瞳も大喜びしてくれたわ。
思いがけず、久し振りに家族団欒出来た感じね。
櫻井判事のおかげだわ。
お土産買って帰らないとね。
というわけでワタシ、本日は実家のこたつから王様ツイートをお送りしてるのよ。
でも、そろそろ帰るわ。
また、東京は警視庁の捜査室Twitter部屋でお会いしましょうね。
翼ー。
帰りのチケット取れたー?
2016/01/08(Fri) 13:08
コメント(1)
◆おかゆと言えばお約束のアレ
室長、七草粥をお持ちしました。
おみくじの結果なんて気にせず、元気を出してください。
ありがとう、明智。
大丈夫よ、大凶を引いたぐらいどうって事ないわ。
ワタシの小さな不幸をネタにみんなが笑ってくれたんだから、それでいいじゃないの。
ワタシは満足よ。
ふっ。
(そうは言っても、地味に落ち込んでいる気がする……)
室長!
…と、明智さん。
おはようございますm(。_。)m
おはよう。
ああ、室長にお茶を持って来てくれたのか、ありがとう。
どうしたのそんなに慌てて。
はい、あの、私、神社では、室長が先に大凶を引いて盛り上がってしまったので、その、出しそびれてしまったんですけど…実は…
あ、
《大吉》!
アンタ凄いじゃない、おめでとう!
ありがとうございます!
それで、これ、見てください。
《【願い事】思うままに叶います。
【待ち人】そこにいます。
【縁談】良縁間違いなし。
【恋愛】全て成就します。》
……
……で、ですから、そのあの、る、室長が大凶でも、私の大吉と相殺すれば…… 中吉、ぐらいになるかなって……そうすれば、れ、恋愛も成就するかなって……
……おい。
あっ、す、すみません、すぐ席を外します。
…櫻井、室長にお粥を食べさせてやってくれな。
は、はい。
お前には苦労をかけるなあ。
えっと、お母さん、それは言わない約束よ?
お粥ギャグはいい!
イチャイチャするんだから、さっさと気を利かせろ!
はい!
もう、泪さんたら……
明智だからいいんだよ。
さあ、
ふーふーあーんして食べさせてくれ。
はーい。
やれやれ。
櫻井さんのおかげで、どうやら機嫌が直りそうだね。
翼ちゃん、もしかしたら大吉が出るまで引き直ししたんじゃ……。
しー。
そうだとしても言うたらあかん。
……(いや、彼女なら普通に大吉引き当てそうだけど……まあ、言わなくてもいいか……)
2016/01/07(Thu) 08:36
コメント(5)
◆みんなでおみくじ
そんなわけで、今日はみんなで近所の神社に初詣に来たわよ。
ちゃんと昇殿で正式参拝して、神職に祝詞を上げてもらったり、巫女さんが神楽を舞ってくれたりしたけど、その話は省略。
無事に参拝を終えたから、全員でおみくじに挑戦!
ちなみに、良い方から大吉・吉・中吉・小吉・末吉・凶の順よ。
……中吉です。
《神様はあなたの行いをいつも見ています。
あなたの努力はいずれ報われます。
今、身の周りにある災いはいずれ消え、明るい未来が来るでしょう。
【願い事】いずれ叶います。心配ありません。
【待ち人】いずれ来ます。大丈夫です。
【縁談】いずれ良縁あります。問題ないでしょう。
【恋愛】いずれ成就します。待ちましょう。》
……「いずれ」っていつですか?
俺は小吉や。
《【願い事】頑張れば叶います。
【待ち人】頑張れば来ます。
【縁談】頑張れば良縁あります。
【恋愛】頑張れば成就します。
ファイト♪》
……俺頑張っとるわ!
俺なんて末吉ですよ!
《【願い事】叶わないかも。
【待ち人】来ないかも。
【縁談】良縁ないかも。
【恋愛】成就しないかも。
でもガッツです。》
何だよこれ!
俺の大吉だよ。
えっ。
《大吉 全体的な金運は非常に良く勝負運もあります。
【願い事】叶います。
【待ち人】来ます。
【失し物】出てきます。
【ビジネス】成功します。
【縁談】良縁あります。
【恋愛】成就します。
ラッキースポットは大勢の人が集まる場所。笑顔であいさつをすると運気上昇。》
凄いな。
小笠原の場合、最後が難しそうやけどな。
小野瀬さんは?
吉。まあまあだね。
《吉 握手やハグなどまめなスキンシップを心がけよう!自然と運気も上昇します。
【願い事】まもなく叶います。
【待ち人】そこまで来てます。
【縁談】良縁ありますよね。
【恋愛】もうすぐ成就します。
金運向上のキーワードは社会貢献。社会に役立つ行動は自分に戻ります。》
このおみくじ、小野瀬さんの知り合いが作ってるんじゃないのか。
明智さん、それより室長が……
……《大凶 万事頼みとするものに背かれることあり。
【願い事】下心あるうちは難しい。
【待ち人】もしもし、今、あなたの背後にいるの。
【縁談】良縁あるのに難関あり。
【恋愛】どうして叶わないか謎です。
万事に注意し、傲慢、わがままを慎み、酒や異性に溺れることなく神に祈り精進すれば運気は回復します。》
東京都内で大凶がある神社・仏閣は776ヶ所中たった31ヶ所、偶然行った神社でおみくじの大凶をひく確率は、0.013%だよ。
逆に凄くない?
さすが悪魔だね…。
2016/01/06(Wed) 23:58
コメント(2)
◆アブ恋☆神社
きゃ!
お二人とも、こたつで寝入っちゃ駄目ですよ、風邪をひきます!
あ、
おはよう。
いかんいかん、いつの間にか寝落ちしてしまった。
娘に起こされるとか、我ながら困ったお父さんとお母さんねえ…。
そんな遅い時間に何を話し合ってたんですか?
はい、お茶です。
櫻井アンタ、うちの神社の巫女さんにならない?
はい?
室長、最初から話さないと櫻井には要領を得ませんよ。
実はゆうべ、「石の日」にちなんで……
うちの連中が狛犬や地蔵だったらどんな御利益があるか考えてたのよ。
楽しそう。
ちなみに「いい石の日」は11月14日よ。
「石の日」とどう違うんですか?
それはいいから。
明智神社の狛犬はきっと忠犬ですよね。
ノッてきたわね。
俺としては、普通に武道や射撃が上達するような御利益でいいと言っているんだが。
一般的じゃないでしょ。
それよりは、料理や手芸の才能を伸ばすような御利益の方が、お賽銭集まると思わない?
通称「乙女神社」。
櫻井、笑い過ぎだ。
それをいうなら室長神社の狛犬なんか、きっとすごい美形だぞ。
御利益は「悪霊退散」。
いまどき悪霊なんかどこにいるのよ。
(悪魔なら目の前に…)痛い痛い、まだ何も言ってませんよ!
七夕の時、室長が短冊に書いたんじゃないですか!
寝落ちしている間に冬子にも言われたけど、
ワタシの神社なんか参拝したら、部屋が散らかって大酒飲みになって始末に困るわよ。
どんな神社ですか…
出世とか勝負事に強くなるとか、他にも色々御利益はありそうだと思いますけどね。
何しろ御神体が強力ですし。
エロいし?
あっ、そんなに強力なら、恋愛成就はどうですか?
狛犬にお願いすると、どんな困難な恋でも叶えてくれるの。
お父さんが頑固で強敵だとか?
……駄目でしょうか?
馬鹿、俺を信じろ。
絶対に納得してもらって、祝福されて結婚できるようにしてやるからな。
室長……
櫻井
……(…邪魔したら物凄い祟りがありそうだ…)
2016/01/05(Tue) 10:49
コメント(7)
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