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大部屋の騒ぎが届かない、二人部屋のひとつ。 部屋の内風呂から上がり、浴衣を着て、濡れた髪を拭きながら、JSが、小春の眠る布団の傍らに戻ってきた。 小春 「すーすー」 JS 「……このまま朝まで目が覚めなかったりして」 苦笑して呟きながら小春の傍らに手枕で寝転がり、開いていた手のひらを指先でくすぐると、小さな手が閉じて、きゅう、と指を握られてしまう。 JS 「……!……」 小春 「……あのね……」 眠ったままの小春が、楽しい夢を見ているのか、くすくす笑った。 どうやら寝言のようだ。 JS 「?」 小春 「うふふ」 JSに擦り寄ってくる小春は、よほど良い事でもあったのか、いつもよりさらに無邪気でご機嫌。 小春 「……来年の春になったらね……」 JS 「なんです?」 小春は微笑みを浮かべて、JSにくっついてくるだけ。 JSは溜め息をついた。 JS 「……他の男に、こんな事しちゃ駄目ですよ」 小春 「……すー……」 再び寝入ったらしい小春を抱き寄せ、二人で一つの布団を掛けながら、JSもまた、くすりと笑った。 JS 「おやすみなさい、小春さん」 それから、ちらりと、壁に目を向けた。 JS 「おやすみなさい、冬子さん」 壁の向こうで、微かに冬子の舌打ちする音が聞こえたような気がした……
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