〜掲示板ひだまり≪リレーSS『アブナイ☆恋のウェディング・ベル』2023/3/19更新!≫〜

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07/10(Wed) 09:20
ある日の創作室について 5th
小春

お陰さまでスレッド増設です。

皆様ありがとうございます。

引き続きよろしくお願いします。

[削除]

07/10(Wed) 12:22
ポケット小野瀬*ここまでのあらすじ*
小春

初夏のある日の早朝。

徹夜明けの小野瀬が話し相手を求めて捜査室に顔を出すと、そこにいるはずの穂積の姿は無く、代わりに、1/10の小ささになったミニ穂積がいた。

直後に現れた穂積の説明によると、朝、目が覚めたらベッドの中にいたから連れてきたのだと言う。

出勤してきた捜査室のメンバーは、驚きながらもミニ穂積を受け入れる。

ミニ穂積の世話は家庭的な明智に託され、明智は服を縫ったり、食事をさせたりと甲斐甲斐しく世話を始めた。

藤守たちもミニ穂積の遊び相手に怪獣のおもちゃを用意したり、小野瀬のフィギュアを作ったり。

ところが翌日の午後、今度は小野瀬が小さくなってしまった。

本体のある穂積と違い、仕事が出来なくなってしまう小野瀬は大弱り。

しかし、そこに居合わせた翼が、小野瀬の世話を引き受けてくれた。

すでに昨日のミニ穂積で免疫の出来ていた捜査室のメンバーたちも、小野瀬をすんなりと受け入れてくれる。

ミニ穂積は明智と組んでパトロールにも出掛け、自販機の下の小銭を拾ったりして泥だらけになって帰ってきた。

張り切って小さい二人を入浴させようとする翼だが、男性陣の制止にあってしまう。

なかなか小さい二人とコミュニケーションがとれないで落ち込む翼に、小野瀬は自ら、自分の世話をしてくれるよう頼み、翼は喜ぶ。

風呂から上がった後、開いていた窓から小野瀬は猫に、穂積はカラスにさらわれてしまう。

二手に分かれての捜索で小野瀬とミニ穂積は無事に戻ってくるが、その中でミニ穂積は明智たちと信頼関係を深め、小野瀬は穂積や翼の新たな面を発見したりして、徐々に絆を深めてゆく。

小野瀬のいない鑑識には小笠原と翼が応援に行く事になり、小野瀬不在の穴を埋める。

慣れない仕事は小野瀬のフォローで切り抜け、時にはそれが原因でバレそうになったりしながらも、小野瀬と翼は不思議な関係を深めていくのだった。

しかし、大雨の特別警戒に出動した明智が、人命救助の最中に事故に遭い、意識不明で病院に運ばれる。

怪しい医師と看護師長の登場により明智は意識を取り戻すが、その時、翼が突然明智に抱きつき、ずっと好きだったのだと告白する。

さらに、明智が息を吹き返したのを見届けて、ミニ穂積が姿を消す。

混乱する捜査室メンバーだが、翼の急変に不審なものを感じ、怪しい医師による暗示の可能性を疑い始める。

しかし、すぐに後を追ったものの、怪しい医師を見つける事は出来なかった。

解決法を探す穂積は小野瀬にカウンセリングを命じ、小野瀬も、専門外ではあるが、暗示を解き、翼の本当の気持ちを知るためにも協力すると約束する。

一方、自分に向けられる翼の好意に悪い気はしない明智だが、どうしても腑に落ちない。

明智もまた、自身の記憶に違和感を感じ、翼の行動に疑問を持ち始めるのだった……。

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07/10(Wed) 15:53
実は私の中で山田は無罪だった。
清香

複雑な展開になってきましたが、初心に還ります。


どうすればいいのか、正直手探りだった。
ただ根底にあったのは、

『不思議な力の思い通りにはさせない』

ただそれだけだった。


穂積
「……行くぞ。」

小野瀬
「あぁ。」


穂積のポケットに収まった小野瀬が小さく頷くと、穂積は明智の病室のドアをノックした。

いつもは返事が返ってくる前に開けてしまう事が多い穂積が、じっと中の様子を伺っている。

それもそうだろう。

もし中に入って二人がキスでもしてようものなら、それこそ救いがなくなってしまうじゃないか。

祈るような気持ちでドアを見つめていると、すぐに『どうぞ』と言う声が聞こえた。

その声に、思わず穂積と小野瀬が顔を見合わせる。

穂積
「…聞こえたか?」

小野瀬
「あぁ、彼女じゃないみたいだ…。」

いつもの明るくて可愛い声が、まるで抑揚の無い機械音のように聞こえた。

この短時間で彼女はどこまで変わってしまったのだろう。

穂積と小野瀬の背中に冷たいものが流れ落ちる。

穂積
「ヤバイな。」

小野瀬
「あぁ、行こう。できる事をしなくちゃ。」

意を決してドアを開けると、そこにいたのは無表情で微笑む翼と、病床で訝しげに翼を見守る明智の姿だった。

その様子は恋人同士というような甘い空気は微塵もなく、逆に異質にさえ見える。

やはり、おかしい。

予感が確信へと変わる。

明智のベッドの側へ穂積が立つと、ポケットの中から小野瀬が飛び降りた。

今までならば、『大丈夫ですか?』『危ないですから、降りるなら言ってくださいね、手伝います。』と声をかけていた翼が、微動だにせず無表情のまま微笑んでいる。

小野瀬
「櫻井さん、ちょっと手伝って欲しいことがあるんだ?いいかな?」

いつものように翼を見上げてにこやかに小野瀬が言うと。


「今じゃなくてはダメでしょうか?明智さんに着いていたいんですが…。」

微笑みを浮かべたまま恋人の心配をしているような事を翼は言っているが、まるで心のこもっていない口調に大根役者と名高い明智でさえ驚きの表情を浮かべた。

明智
「お、おい櫻井、大丈夫か…?」

声をかけようとした明智を、穂積がそっと制した。視線が『合わせろ』と無言で伝えている。

小野瀬
「…うん、今じゃなきゃダメなんだ。」

穂積
「明智なら俺が面倒を見ておくから、な。」

ポンっと穂積に肩を叩かれ、『嫌だ』などと明智が言えるはずも無く。

明智
「…あぁ、俺は大丈夫だから、小野瀬さんの手伝いをしてこい。」

と言うのが精一杯だった。


「…….…はい。」

気持ちは小野瀬に向かっていなくとも、やはり慣れてたのだろうか。

ジャケットのポケットを広げ、『どうぞ。』と入りやすく差し出す翼の姿は昨日までと同じで。

どうにか彼女を取り戻したい

ただそれだけを胸に抱えながら、小野瀬は翼のポケットへと潜り込んだのだった。

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07/10(Wed) 15:58
ごめんなさい。
清香

もっかい続けさせて下さい。
しばしお待ちを。

[削除]

07/10(Wed) 18:36
お待たせしました。
清香


翼が明智の病室から出ると、小笠原がすぐ隣の個室のドアを開け、中に入るよう促した。

小笠原
「貸してもらったから、この部屋を使って。」

いつの間に交渉して用意をしたのだろう。
真ん中に小さなテーブルとイスが置かれた病室は少し薄暗く、とても静かだった。

翼に言っているようで、実は小野瀬に伝えている言葉に小野瀬は少しだけ胸が軽くなった気がする。

見えないモノと戦おうとしているのは自分だけじゃない、というみんなの思いが背中を支えてくれているようで。

小野瀬
「話をさせてもらいたいんだ、座ってくれないかい?」

テーブルに乗ると、小野瀬はにっこりと笑いかけながら翼に言った。


「はい…。」

言われた通りにイスへと座るが、こんなにも気のない翼の返事を聞いた事なんて、今まであっただろうか。

いつもはちょっとしたからかいにも真っ赤になっていて、でも、結局最後は笑顔で笑っていてくれて。

その笑顔が見たくてちょっかいを出す事なんて日常茶飯事だった。

好きな子をいじめるなんて小学生みたいだ、と思いながらも止められなくて、「もう!」と膨れる顔すら可愛くて。

近づきたくて、でも嫌われたく無くて「桜田門の光源氏」と呼ばれているのをいい事に、軽い男を装っていた。

それでも君は俺を見捨てなかった。

小さくなっても、小さな穂積を世話する明智くんに対抗するようでも、そばにいてくれた。猫に攫われた俺を見つけてくれた。探し出してくれた。


だから、今度は俺が君を助けたいんだ。


自分の思いも、託してくれた穂積の思いも、心配している捜査室メンバーの思いも受け止めて、やらなきゃいけない。

どこを見ているのか、焦点が合わない翼の顔をジッとみながら、小野瀬は覚悟を決めたのだった。






小野瀬
「ねぇ、櫻井さん、ちょっと目を瞑ってくれないかな?」


「…はい。」

よく分からない、と言いたげにしてはいたものの、素直に目を閉じてくれるのは、完全に誰かに操られているわけではないのだろう。

少しのチャンスも見逃さないよう、小野瀬が一歩ずつ翼に近寄った。

医療機器はもちろん、時計すらない部屋は恐ろしいほど静かで、小さな小野瀬の靴音と窓を叩く雨音だけが響いていた。

規則正しく歩き、一定のリズムを靴で刻みながら小野瀬が翼に話しかける。

小野瀬
「目を閉じたまま答えてね。ここはどこだかわかる?」


「警察病院です。」

小野瀬
「どうして君はここへ来たの?」


「明智さんが心配だったんです。…好きだったので。」

小野瀬
「そう……だね。」

操られているのかもしれない。

本心かもしれない。

どちらにしても、思いを寄せる人から聞きたい言葉では無いことは確かだ。

小野瀬の胸に『好きだった』の言葉が突き刺さる。

自分に向けられていたのなら、どんなに良かったか。

でも、今はくよくよ落ち込む時じゃない。

再び靴音を鳴らしながら質問を続ける。

小野瀬
「明智くんの病室に来た医師の事は覚えている?」


「…医師……?」

首を傾げながら記憶を辿る翼に違和感が拭えない。

さっきまでの記憶は完璧だった。

それに、翼は驚異的な記憶力の持ち主だ。一度見た顔は忘れないからと捜査室に穂積がスカウトしたくらいなのに。

…あんな至近距離で会った医師を覚えていない?

小野瀬
「じゃあ、看護師長は?」


「…今日はお会いしていないです……。」

あんなインパクトのある二人を記憶していないなんて、おかしすぎる。やはりあの二人が原因なのだろうか。

立ち止まって考えていると。


「小野瀬…さん?」

不安そうな声が小野瀬の思考を引き戻した。

小野瀬
「あっ、あぁ、ごめんね。ここにいるよ?」

小さな手では慰めにもならないだろうけど、少しでも助けたい。

小野瀬は両腕を思い切り伸ばして翼の頬に触り、ちゅっと音を立てて鼻に軽くキスをした。

いつものように真っ赤になってくれれば、と思ってシタのに。


「小野瀬…さん、…。」

小野瀬
「櫻井さん!?」

ポロポロと大きな涙が翼の頬を伝い、触れていた小野瀬のジャケットへ滲みていく。


「なんか…わから……なくて……、こわ…く…て…。」

目を閉じているからこそ、彼女には自分の心が見えるのかもしれない。

そして、もしかしたら一人で得体の知れない何かと戦っているのかもしれない。

小野瀬
「ねぇ、櫻井さん。目を開いて、俺を見て?」

頬を撫でながら言うと、翼の長い睫毛が涙を乗せたままゆっくりと揺れる。

小野瀬は開いた翼の瞳に、微かな光をみつけられたような気がしていた。




ぎゃあ!
この先まで書いてたのに、捜査ミス(誤変換)で消えちゃったL(゚□゚)」オーマイガ!

次は夜になっちゃいそうなので、書けそうなら挙手お願いします。よ〜わからんなら、やります。

ごめんなさーいヽ(#゚Д゚)ノ┌┛Σ(ノ´ェ`)ノアゥ

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