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□すれ違う想い
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強気なお前だからこそ、魅かれるんだ――――…



【すれ違う想い】










「…っ…―――っ…」
寒い夜空の下、響く悲痛な声。
その声は、暗い夜空に飲み込まれる。
「…放っ…せ…くそ野郎…っ」
同じ男なのに、なぜこうも力の差があるのだろう。
なぜこの俺が、同じ男に組み敷かれなければならないのだろう。
なぜ、俺が――――っ。
「放せって言うわりに、ここはけっこう喜んでるみたいだけど?」
「―――っ」
ゴツゴツした指で自身を扱かれ、感情とはまるで反対に体は反応してしまう自分が嫌だ。
「ついでに声も聞かせてくれたら嬉しいんだけど…なぁ?」
ゾロはより腰の動きを速める。
「……っ」
(冗談じゃねぇ…っ)
死んでも声なんか出すものかと、唇を噛み締めて必死で声を押し殺す。
そんな俺の気を分かっていながら、ゾロは俺の弱いトコばかりを攻めてくる。
間違いなく確信犯だ。
「ほら、どうした?素直に体に従ったほうが楽だぜ??」
「…ん、…っあぁ、…あっ、……っ」
出したくもないのに、突かれる衝動から反動的に声が漏れてしまう。
「はじめからそうしてりゃいいんだよ」
「…っん、…やぁっ……あぁっ……」
(……ッ畜生)
自分が惨めでならない。
(畜生っ畜生っ畜生っ畜生っ畜生っ!!)
「ど…して、……こんなっ…あぁっ」
仲間だと思っていたのに。
交わす言葉はいつも喧嘩口調で、幾度か喧嘩もしたけれど。
長い間共に旅して、助け合って、傷だらけになりながらも今まで一緒に戦ってきた仲間だと、思っていたのに。
(どうして)
「……解んねぇのかよ…」
「…うあっ…やめっ…!!」
足を胸板に付くぐらい折り曲げられ、結合部が丸見えになった。
ゾロは先ほどまでとは比べものにならないほど激しくピストンした。
「何で俺がこんなことするか…まだ解んねぇのかよっ!?」
「…や、…やぁぁ…っあぁっ」
「ずっと俺が…どんな想いで…っ!!」
「…っ!!あああぁぁぁ…っ!!」
一段と深く突き上げられ、サンジはゾロの肩から胸にかけて爪痕を残して気を失った。







――――『どうして』って…解んねぇのかよ、くそコック。
こんなに態度で示してやったのに…なぁ??
お前を裏切る形になってしまったとしても、お前を手に入れたかったんだよ。
ずっとずっと好きだった。
感情を抑えられなくて、結果お前を傷つけた。
最低だって、分かってる。
だけど。
お前を手放す気はないよ。
たとえ嫌われようが、かまわない。もうお前は、俺のものだよ―――…。

眠りにつくサンジの頬にそっとキスをして、髪の毛を撫でてやる。

たとえ想いが伝わらないとしても、お前がずっと俺の傍にいてくれればそれでいい。
それが、俺の愛し方。










END
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