銀新
□君と俺と。
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力ずくで床に押し倒して、唇を押しあてる。
「…っん…」
俺のキスに不器用な舌使いで答えてくれる君。
「…やっ…銀さん、こんなトコ…でぇ…っ」
頬を赤らめて拒絶の言葉を発しながらも、息を荒くさせる君。
君のその肌も唇も何もかも全てが愛しくてたまらない。
「銀…さん、どうかしたの…?」
俺の様子に不信感を抱いて、そっと頬に手を添えて尋ねてくる。
子犬のように見つめるその瞳には、嘘を吐けなかった。
「……夢…を、みた」
「夢?」
「お前が…いなくなる夢…」
夢ごときで惑わされた自分を恥ずかしく思ったが、君になら弱い俺を見せてもかまわないかと思い、正直に打ち明けた。
「…俺は…お前と違って汚い。数えられないほどの過ちを犯してきた。ホントはこんな俺、お前に相応しくなんかないんだ…」
この手は血で汚れている。
侍という職業柄、当然のことなのだが、その過去が俺と君との決定的な違い。
「こんな俺がお前の傍にいると、お前まで汚れるんじゃないかって…恐い」
滅多に口に出さない心の底を曝け出すと、意外にも新八は驚かずに受けとめてくれた。
むしろ、その表情は喜んでいるようにも見える。
まさか、俺に組み敷かれている状態にあることを忘れているわけではないだろう?
「……なに…笑ってんだよ」
少しむくれ気味で問うと、想像通りに「や、うれしくて。」と返ってきた。
「……ねぇ、銀さん。僕は―――」
その後の言葉は、俺の理性を飛ばすのには容易いものだった。
「…んっ……銀さ…ぁぁん」
「新八…も少し腰浮かして…?」
「…は…ぃ」
可愛い君。そんなことを言ったら機嫌を悪くするだろうから言わないけれど。
「…ぁっ…銀さんっ……銀さぁんっ………」
「……っ新八…」
「……壊してっ…銀さんしか…、分かんなくなるくらいにぃ……」
――――愛しい。
愛しくて、愛しくて。
恋しくて、恋しくて。
何よりも大切な君だから。
守るよ。たとえそれが、俺自身からだとしても。
『銀さんになら、汚されてもいいんですよ…?』
そのままの君が、一番好きだから。
end