うちはナルト物語

□うちはナルト物語53
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sideナルト
緋鞠の自殺が未遂に終わった、あの日から2日がたった。この2日間、緋鞠の奴は自殺をしなくなった……のは良いのだが……

「ナルト〜〜〜」

タズナ家の前でバックを背負ったナルトに笑顔を浮かべて嬉しそうに少女……緋鞠が走ってきた。何故か見えないはずの犬の耳と尻尾を振ってるように見えた
何故か……懐かれた。あ…あれ?俺……自分に復讐しろって言ったよな?いや仲良くなるのは良いのだが……

「?どうしたの……難しい顔して」

首を傾げながらナルトを見つめる

「ああ……いや、ただ長い任務だったな……っと思ってな」

ナルトが誤魔化し(?)たあと家から担当上忍のカカシを初めサスケ、サクラ、タズナと出てきた

「イナリは……?」

ナルトが家から出てきた中に少年……イナリが居ないことが分かりタズナに訪ねる。タズナは難しい顔をしながら口を開く

「いや…のぅ。今朝までは居たんだが……」

「そう…ですか」

ナルトが少しガッカリしたのが分かったのかタズナは申し訳なさそうな顔になった

「超悪いの」

「ああ……いえ、別に気にしませんから……」

そう言ったナルトだったが、やはり顔は残念そうだった

sideツナミ

ナルトが家から出てくる


数十分前

全く……あの子ったらどこに行ったのかしら?……あっ

「イナリ!!」

イナリと呼ばれた少年は誰かの墓の前にいた

「イナリ、此処にいたのね。速く行かないとナルト君達、行ってしまうわよ」

ツナミはイナリの肩を掴んで優しく微笑みながら言った

「……行かない」

だけどイナリは拒絶して、そこから動こうとしない

「……なんで?」

ツナミは難しい顔をしながらイナリに問う

「だって……もう、会えないなんて嫌なんだ。それに……どんな顔であったら良いか分からないし……」

イナリは俯きながらツナミの質問に答える。ツナミは数秒、イナリを見つめたあと眼を閉じ、ため息を吐いた

「分かったわ……イナリが決めたんなら何も言わないわ……でも、あなたは本当にコレでいいの?こんな別れかたで……本当にいいの?」

「………………」

ツナミの問いにイナリは黙ってしまった。ツナミはまた、ため息を吐いてイナリに背を向け元来た道を進む

sideナルト

ナルト達は完成した橋にやってきた。だけどナルト達は橋の門に掲げてる(橋の)名前に吃驚して固まっている

「た…タズナさん……これ」

ナルト大橋、サクラ大橋、サスケ大橋……と


「ガハハハハ!!いやな、皆に橋の名前は何が良いか聞いた所、この3つが出てきてな。皆が皆、どの名前が良いかって争ってな。だったら全部、使ってしまえって感じでだな!!!」

「て…適当過ぎませんか……?」

「そ…そうですよっ!!」

「……………」

ナルトが呆れて言うとサクラも正気に戻りナルトに続くように言う。サスケも何も言ってないが眼で言っていた

「まぁ、落ち着け。別に助けて貰ったから、お主等の名前を使った訳ではない。……これから儂達は、この橋と共に新たな人生を歩む……じゃが、歩むには“勇気”が必要じゃ……恐怖を払う程の“夢”が……明日を見る“希望”が……だからこそ、儂達は、この名前に決めたんじゃ」

「そうよ、私達はあなた達のおかげで明日に歩めるんだから」

タズナの言葉に賛同すようにツナミも言う

「……そう…ですか」

「「……………」」

3人は笑みを浮かべながら橋を見る

「じゃあ……タズナさん、ツナミさん。俺達、行きますね」

4人は歩き出す。だがナルトの歩みは遅かった

イナリ……

sideイナリ

『でも、あなたは本当にコレでいいの?こんな別れかたで……本当にいいの?』

分かってるよ……良くないって……事ぐらい。でも……やっぱり

『イナリ』

っ!!。だ…だれ?

イナリが塞ぎ込んだ時、どこから、ともなく声がした

『男なら最後もしっかりしろっ!!……俺の息子なら尚更だ』

っ……

「父ちゃん!!!」

イナリは勢いよく立ち上がるが其処には何もなく
ただ風だけが吹いていた

「そう……だよね。これじゃあ……駄目なんだよね……」

イナリはそう言いながら自身の頬を叩く

「よしっ!!行こう!!!!」

そう言ってイナリは走り出した

『そうだ……それで良いんだ、イナリ』

イナリが居なくなったその場には1人の男が笑みを浮かべてイナリの背を見ていた

side無し

やはり、ナルトの歩みは遅かった

「……ナルト君……」

ナルトの少し後ろを歩いていた緋鞠は心配そうにナルトを見つめる

「ナルトの兄ちゃん!!!!!」

そんな瞬間、ナルトの背から大きな声がした。は目を見開き振り向く

「また……また、会えるよね!!!!」

ナルトが振り返った所には汗をかいているイナリがいた

「……ッフ、当たり前だろ」

ナルトは拳を突き出しながら微笑む。それを見てイナリも笑みを浮かべながら拳を突き出した。数秒後、どちらからともなく拳をしまい歩き出す。ナルトの歩みには、もう迷みはなかった

また……また、会おうな。……イナリ

おまけ

本日のカカシ先生……

「ハハッ……俺の名だけが……なかった……ハハハッ……」

真っ白になっていた

「ん?先生の名ならあるぞ」

「っえ…?」

カカシの言葉にタズナが答えるとカカシは眼を見開き色を取り戻していった

「ほれ!!忍耐の木……カカシ大樹じゃ!!!」

そこにはサスケが修行で使った木があった。これはナルト達が立ち去る日の前の日……橋完成日の夜だった

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