うちはナルト物語
□うちはナルト物語48
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「あいつ……イナリを見てると昔の俺を思い出すんだ……だから……見せてやりたいだ。お前の父親が……間違ってなかったって…な」
『……ッフ。相変わらず……馬鹿だな、お主は』
『でも……ナルトらしい』
ナルトを笑みを浮かべて2人に礼を言った後、クナイを取り出して構える。数時間後……ボロボロに成ったナルトが足を引きずりながら歩いてると前方に黒髪でナルトと同じくらいボロボロのサスケがいた。2人は相手を見た後、笑みを浮かべて何も言わず同時に肩をかした。家には数十分で着いた。みんな2人の姿に吃驚していたが1人だけ……イナリだけが涙を流しながらナルトを睨みつける
「なんで…なんで、そんなに頑張るんだよ!!修行なんて意味ないんだ!!どんだけ格好いいこと言って努力しても、本当に強い奴の前じゃ弱い奴はやられるんだ!!!」
イナリの言葉にナルト以外、全員黙る
「……だから……なんだ?」
椅子にもたれる様に座ってるナルトは気にしてないような感じで問い返した
「っ!!お前、見てるとイラッとするんだ!!この国のこと何も知らないくせに、でしゃばりやがって!!お前に、
僕のなにが分かるんだ!!!辛い事なんか何も知らないでヘラヘラ笑ってるお前なんかとは違うんだ!!!!」
ビクッとナルトの体が動いて顔を上げる
「それで……悲劇の主人公のつもりか……?ふざけるなよ……テメェだけが苦しい訳じゃねぇんだ……そんなに悲劇の主人公になりてぇなら」
ナルトらしく無いぐらいイライラした様に喋る
「一生、泣いてろ」
サクラは言い過ぎだとナルトを怒るがナルトは関係無いみたいに家を出て行きサスケはナルトと同じ考えだったのか何も言わずカカシはナルトの事情を知ってるためか黙っていた。バタンとナルトが出て行ったドアが閉まる
「クソっ!!!」
「イナリ!!!」
イナリは涙を流しながらどこかに行きツナミが追おうとするがカカシが止める
「ここは、私に……」
カカシはそう言ってイナリを追った
side無し
「クソっ!!クソクソクソクソっ!!!!」
ザザァっと波の音がする中、イナリは涙を流しながら強く拳を握る
「クソっ……クソ…………」
次第に声が無くなり遂に無言に成った
「おっ……ここにいたのか……隣…いいかな?」
そんな時、カカシがやって来てイナリに訪ねるとイナリは小さく頷くとにっこりと笑い座る
「あいつもな……悪気はないんだ……あいつ案外、不器用だから。……お父さんのこと……聞いたよ。実はね……ナルトも実の親は居ないんだ」
カカシの言葉に目を見開くイナリだったがカカシは気にせずに話を続ける
「実の親は産まれた瞬間に死んだからナルトは誰が父親かも母親かも解らない……親戚も1人しか居なかったから、自然にその人と暮らすことになった……君みたいにナルトは、その人の事を実の親の様に思っていた……でも不運は続いた……突然の襲撃に……ナルトの前で、その人は……死んだんだ。でも…な、あいつ人前では絶対に泣かないんだ……辛い時もしんどい時も……絶対に人前では泣かないんだ……」
カカシは空を見上げていた顔を俯かせる
「誰からでもなく……もう居ない3人に認めて貰いたくて……大事な誰かを守りたい一心で……そのために命懸けで……だからだろうな……あいつにはさ……泣いている暇もないんだと、思うんだ」
俯かせていた顔をイナリに向ける
「だから……あいつは本当の強さを知っている。君のお父さんの様に……それに多分、君のことナルトが1番、理解してるんだと思う」
「っえ……?」
突然の言葉に吃驚してカカシを見つめる
「あいつ、どうやら……君のこと放っておけないみたいだから」
イナリは唖然として固まっていた