短編/シリーズ
□蛍様リクエスト
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俺は今、とてつもなく困っている。
「名前先輩!次は冷奴です!!冷奴は豆腐の定番中の定番!一番豆腐の味が出てると思います!!」
コトリ、と音を立てて目の前に置かれた冷奴…基、豆腐。
かれこれ五品目となるそれは、とてもつややかな輝きを放っている。
そう。今俺は、兵助の豆腐地獄を味わっているのだ。
こうなったのは、数分前のこと…
いきなり、竹谷が俺の自室に飛び込んできたのだ。
そして、一言叫んだ。
「先輩!助けてください!!」
何があったのかを聞くと、兵助に豆腐を食べさせられているという。
俺は笑って、
「それだけでか?別に怖くもなんともないだろう」
と言ってしまったのだ。
そのあとは、竹谷が「名前先輩が兵助の豆腐を食べたがっている」と兵助に伝え、兵助がそれを聞いて嬉々と豆腐を作り始め、俺は兵助の豆腐を食べることとなったのだ。
あの時の俺をぶん殴りたい。
そして竹谷、怖くないとか言って悪かった…
キツいわ…豆腐地獄(コレ)