短編/シリーズ
□失ったのは恋
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俺は苗字名前。
忍たま六年ろ組で、火薬委員会委員長。
自他共に認めるヘタレ。
顔立ちは上の中らしい。
そんな俺は今、恋をしている。
同じ火薬委員会の久々知兵助に。
名前から分かるように男。
つまりは、男色。衆道。
同性愛の方が分かりやすいだろうか?
簡単に言ってしまえば、男の俺は男の久々知に恋をしているのだ。
そして、俺は今日、久々知に告ることを決めた。
◇◆◇
竹谷side
「じゃあ何で俺のとこ来てるんですか、苗字先輩」
俺は、呆れた目で先輩を見た。
先輩は“あー”とか“うー”とか言いながら口を開いた。
「恥ずかしいし…どう言えば良いかさっぱりだし…」
「松千代先生じゃないんですから…」
この先輩はヘタレだ。
本人は気づいてないが、任務や実技の時とか、日常のふとした瞬間には何故か男前になる。
「先輩、もっと自信持って良いと思いますよ。」
「うー…でもさ…俺ヘタレだし…久々知を幸せに出来るか…」
面倒くせぇぇえ…
未だにうじうじしている先輩は見ているだけでイライラしてくる。
「…先輩、そうやってうじうじしているうちに兵助取られても良いんですか?…っ!?」
「だめに決まってんじゃん」
俺の言葉に反応した先輩は、かなりキリッとしている。
不覚にも、ドキッとした。
「そうだよな、うん、俺告るわ」
なんか何時もとは違う男前な事を言って、先輩は去っていった。
…先輩が密かにモテる理由がよく分かった気がした。
竹谷side end