短編/シリーズ

□悪食的愛欲
1ページ/1ページ




「勘ー、いつまで舐めるの?」

「もーちょい」



そう言って、俺の指を舐める勘。

勘と付き合い始めたのは、数ヶ月前。


"名前、君を食べちゃいたいくらい好きなんだ付き合って?"と言った感じに勘に告白され、最初は戸惑ったものの、前々から勘のことが好きだった俺は、"俺で良ければ"と答えたのだ。

そして、付き合っていく中で思ったことがある。



「…なぁ、勘ってカニバ?」



そう。今もだが、俺の指を舐めたり、首を噛むなんてしょっちゅうある。



「かも。…ね、名前、少しだけ噛んで良い?」



勘は、そう言うと上目遣いで俺を見上げて聞いてくる。

俺が勘のこの顔に弱いの知ってるから。

勘は確信犯だ。



「軽くね。食いちぎんないでよ?」


「ん、」



俺の言葉に、短く返事すると、勘は俺の指を甘噛みし始めた。

少しくすぐったい。



「…美味しいのか?」



あまりにも嬉しそうにしているので聞いてみると、勘は、指から口を離し微笑む。


勘の口と俺の指の間に、銀色の糸がつながっていて、プツンと切れた。



「うん。名前の指、甘くてすっごく美味しいよ。ね、首と唇とほっぺも舐めたり噛んだりしていい?」



勘は、俺の膝にまたがり、据わった目で言う。

目には俺しか映っていない。

本当に俺の体が好きらしい。

それも、異常なまでに。



「食いちぎんないなら」


「やった」



勘は、すぐに俺の首元に顔を埋めて舐めたり噛んだりを繰り返す。



「ね、名前がもし死んじゃったら、俺が食べて良い?」



俺の頬を舐めながら勘が聞いてくる。



「んー…死にたくないけどな……うん、死んだら食べて良いよ。解剖とかされたくないし、勘に食べられる方が嬉しい」


「へへっ、やった」



勘は可愛く笑う。

俺が"でも…"と続けると、勘の顔から笑顔が消える。

多分、俺が今から言うことと違うことを考えている。



「俺は、まだ勘とこうしていたい。こうやって生きて、勘と愛し合いたいな」



そう言うと、勘は"俺も!!"と言って笑った。




悪食的愛欲





――――――――――――――

勘ちゃんはカニバだと思う←

ちなみに、名前が言った、「俺が言うことと違うことを考えている」っていうのは、勘ちゃんが"名前が自分以外の誰かに名前の体を食べさせる"とか"やっぱり無理"と言われると思ってたからです。


わかりにくかったらすいませんm(_ _)m


ご閲覧ありがとうございました


光夜
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ