短編/シリーズ
□追いかけっこ
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鈴蘭男子校、二年、苗字名前。
髪は艶やかな黒のストレートで弄っていない。
右に二つ、左に一つのピアス。
制服は特に改造することもなく、きっちり着ている。
鈴蘭では結構真面目にな方に分類される名前は、廊下をすごい速度で走っていた。
「ひぃぃぃいいいい!!!」
「何で逃げると!ちょっと尻ば貸してくれんね!!?」
名前の後ろを追いかけているのは花木九里虎。
鈴蘭だけでなく、一般の中学生までもが知っている最強の男だ。
「嫌に決まってんだろ!!ぼけぇ!!」
彼が名前を追っているのには理由があった。
最近女がヤらせてくれないらしい。
九里虎には八人の彼女がいるのだが、その全員が様々な用事により遊べないことが増えているらしく、溜まっているらしい。
それを米崎やブッチャー、マサ、秀吉など、様々な人に相談した。
その時、ブッチャーがたまたま溢した"男同士でもケツ使えばできるんじゃねぇか?"と言う言葉を聞いてしまったのだ。
そこで、男でも線が細く、華奢で女顔に近い名前をターゲットにしたのだ。
「尻ば貸してくれるだけで良かのに!何で逃げると!!ほんの数分のこつばい!」
「っ、ふざ、けんなぁ!!!!」
名前は息を荒くしながら返す。
その額には、うっすらと汗がにじんでいる。
「!色っぽかね!ワシと一発ヤルだけでよか!!早う尻を貸してほしか!!」
「ひぃぃいい!!…っうぁ!!」
九里虎の言葉にゾゾッとしながらも走っていたが、名前は、目の前にある階段に躓いた。
同時に、重力に逆らわず落ちていく体。
名前は目を固く瞑った。
しかし、痛みは何時まで経っても来ることは無かった。
「捕まえたばい♪」
「…?っ!!!は、花木、九里虎…」
目をゆっくり開けると、そこに居たのは九里虎だった。
いつの間にか、抱きしめられている。
その時名前は一瞬で状況を理解した。
階段から落ちそうになった自分を、落ちないように九里虎が抱きしめているのだと。
「ニシャ、動けんばい!」
「…っ」
そう、動けない。
今もしも動けば、自分は九里虎の腕から開放されるが、階段から真っ逆さまだ。
「ニシシシ…」
「…」
まるでいたずらっ子のように笑う九里虎に、何故かときめいた。
「さ、ヤるばい!!」
「!!やだ!!誰か助けてぇぇぇえええ!!!!!」
九里虎に俵担ぎされて、名前の声は鈴蘭の校舎に響き渡るのであった。
追いかけっこ
――――
ワーストにハマりましたww
あんまりないけど、九里虎が結構好きだったりする。
あとは秀吉、花、好誠、鉄生とかw
似非九州弁すいませんでした!
九州の方の言葉は分からないです!!
ご閲覧ありがとうございました。
光夜