短編/シリーズ
□君は僕の太陽
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今まで育ってきた村が燃えていく。
なぜ、この場所が戦場に選ばれてしまったのか。
木や土が燃える臭いに、人が燃える臭いが混ざって気持ち悪い。
(ああ、神様…助けて下さい…)
俺は一人、燃えていく村を駆ける。
誰一人、生存者はいない村を必死に駆ける。
両の手には双剣を持ち、村に火を放った奴らを片っ端から切りつけて駆ける。
(俺はまだ…───)
背後から攻撃を受け、俺は地に倒れる。
最後に見えたのは、怪しく笑う敵に立ち向かう、幼い少年の背中だった───…
目を開けると、昨日から寝泊まりしているホテルの天井だった。
「…懐かしい夢…」
あの村は滅び、生き残りは俺だけだった。
そして、俺を助けてくれたのは、記憶の片隅に残る幼い少年…
「アラ、ジン…」
目の前で眠る彼の名を口に出す。
…そう、アラジンが俺を救ってくれたのだ。
「…ん、名前お兄さん、どうかしたかい?」
目を擦りながら起き上がったアラジン。
首を傾げるその仕草は、年相応のそれだ。
きっと、アラジンが俺を助けてくれた話をしても、殆どの人が信じてはくれないだろう。
「何でもないですよ」
そう笑って、アラジンの頭を優しく撫でる。
アラジンは俺を変えてくれた。
村が焼け、絶望していた俺を
村を戦場とした奴らを憎む俺を
家族を亡くして悲しみに暮れた俺を
「…アラジン、ありがとう」
アラジンを抱きしめてそう言えば、アラジンはまた首を傾げた。
「?、いきなりどうしたんだい?」
「いえ、何でもないですよ。ただ、少し言いたくなっただけです」
疑問を投げかけるアラジンに返せば、アラジンは不思議そうに首を傾げる。
「そうなのかい?変なお兄さん」
「ふふ、そうですね」
笑うアラジンにつられる様に俺も笑みをこぼした。
君は僕の太陽
−−−−
初めてアラジン夢書きましたw
当初は別キャラで裏夢予定だったんですが…
口調が迷子になったので中止に…orz
ご閲覧ありがとうございました。
光夜