お題のお話

□横暴な彼のセリフ
1ページ/4ページ

1.お前の気持ちなんざ知るかよ

最初は興味本位だった。
いつもいつも顔を合わせれば怒鳴ってばっかりで練習に出ろとうるせー奴。
俺に見せる表情は怒ってばっかりだ。
他にはどんな表情をするのだろうか。
そう思って珍しく練習に行った。
とはいえ参加した訳ではない。
参加しねー俺に若松サンは何か怒鳴ってたけど今吉さんに言われて渋々練習を始めた。
ステージに座りながら練習している若松サンを観察する。
今吉さんにからかわれ焦っている顔、諏佐さんに褒められ嬉しそうな顔など。
(俺には怒った顔しか見せねー
のに…)
何だかモヤモヤしてきたので外に出た。
(さつきが呼んだ気がするが無視だ。)

屋上で寝ていると若松サンがきた。
「青峰!なんでこんなとこで寝てんだよ!来たなら練習出ろ!」
「うるせーな…」
「んだと!」
若松サンの表情はやはり怒った顔だ。
怒鳴りながら胸ぐらを掴まれる。
あぁ、距離が近い…
「本当にあんたって学習しねーよな。」
そういって噛みつくようにキスをする。
驚いて目を見開く若松サン。
(あぁ、その顔も初めて見るな。)
「っいきなりなにしやがる!」
顔を赤くしごしごしと唇をこする。
「別に?してーと思ったから。」
「思ったら誰にでもすんのかよ!」
「あんただからしたかったんだよ。」
「は!?」
呆然とした若松サンをおいて屋上を出る青峰。

(真っ赤になって可愛いかったな。)
「これが好きってことか?なら若松サンに責任とってもらうしかねーな。」
勝手に突っかかってきて俺の心ん中はいったんだから。

『お前の気持ちなんざ知るかよ』
(俺がそう思ってんだからあんたの意思なんざカンケーねーだろ?)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ