@海常

□だって。(笠黄)
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空は高く 雲一つない。
冷たい風が頬をなでる。



どうやら季節は本格的に冬に突入したらしい。


ネックウォーマーを持ってきていてよかったと思う。



「かっさまっつせーんぱーい!!」

帰り道一人で歩いていると、角からひょっこり現れたのは犬。


きゃんきゃんとしっぽをふりながら笑顔で俺に付き纏う。




その笑顔は"爽やか"だと思うのだが、ここまで付き纏われると逆に暑苦しい。



「…なんでこんなとこいんだ?」


「なんでって…笠松先輩のこと待ってたっス!!」


「…」

全く
一体何なんだ?俺に付き纏って何が愉しい。

そんなことを思っていると、不意に問い掛けられる。


「一緒に帰ってもいいっスか?」


「…別にいいぞ。」


とゆーか、ダメって言える雰囲気じゃないだろ。



めずらしく部活のなかった今日は、明るい内に家に帰れる。



そのことに少し喜びを感じつつ、俺はネックウォーマーに顔を埋めた。


すると隣から「フフっ」と笑い声が漏れる。

「ん?」
と黄瀬をみると、先程とは違う優しい笑顔でこちらを見ていた。



「なんかいいっスね。こーやって二人で歩くの」


「…そうか」


突然何を言うのかと思えば…


毎日一緒に帰ってるじゃないか。
というのも、コイツが勝手について来ているだけだが。

「俺、こーやって先輩と話してるだけで幸せっス!!」


「よかったな。」



そしてふと気づく。
何故俺は黄瀬といるのだろう。

何故俺はその事に嫌悪感を抱かないのだろう。

何故俺は今、こんなにも心が温かいのだろう。



「先輩。…大好きっス。」




―――だってそれは



「黄瀬。」


「―なんスか?」


「今日俺ん家泊まってけ。」





―――君の事が好きだから。






end

・あとがき・
んー…
笠黄のつもりだったんだが、黄笠といえなくもない…
―いや。
これは笠黄だ!!

ってことにしてくださいw

駄文すみません((土下座
 

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