text -BLEACH-
□唾棄
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唾棄
硝子越しの青空はまるで僕を嗤っているようだった。
愚かな僕を。
ああ毒されていく。
侵食される心が軋んで、黒く黒く塗り潰されていく。全てを壊そうとして。土足で踏み込まれた傷跡が鈍く疼く。痛い。
ああ崩されていく。
よく似た顔が疎ましい。どうしてこんなにも酷似している? 吐きそうだ。
絶対に逃がしたくないものを僕は手ずから放した。
力がないのなら君の行く道から外れるのが道理。
ここにいるだけでしなくてもいい後悔までしてしまいそうだ。