東方鷹伝 二ノ乱

□39章「勝つために」
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あらすじ
東風谷早苗により呼ばれた佑介は、流出している拳銃を調べるために森の中に足を踏み入れる。すると、いきなり謎の男に襲われるのだった。

〜佑介side〜

いきなり襲ってきた男を撃退し、俺は男の武器などを抜き取る。

椛「この人、何なんでしょうか?」

佑介「わからん・・・外の世界の人間だろうが・・・コイツを起こす必要があるな」

とりあえずこの場を離れようと男の腕を取ろうとしたとき、

グルルル・・・

という獣のような声がした。
俺は射命丸たちと顔を見合わせる。
射命丸にアイコンタクトとジェスチャーでその場で待機するよう指示を出しながら銃を構える。

頬から嫌な汗が流れ落ちる。
銃の安全装置を外して、声のした方に行き、立ち止まる。

佑介「誰かいるのか・・・?」

・・・・・・・・・

虎「ッガーー!!」

佑介「っ!」

突如現れた虎に、俺は回避もできず、虎に押し倒されるように襲われる。
虎は俺を食おうと口を大きく開ける。

佑介「クッソ!」

手に持っていたAKでなんとか噛み付かれないようにする。

佑介「オラオラァ!」

そのまま片腕で虎の頭を何度も殴る。だが、虎は力を弱めるどころか強くなっていった。虎に銜えさせたAKからメキメキという音が聞こえると、バキン!!とAKを真っ二つにしやがった。

佑介「何っ!?」

AKを粉砕すると、お次は俺の頭を噛み砕こうと大きな口が俺の頭に向けられた。

佑介「うおおっ!」

その口を両手で受け止める。

文「佑介さん!」

射命丸は紅葉に型どった扇子のようなものを振るう。
ヒュン!と風がなり、虎の顔から血が吹き出る。

虎「ガアアアアッ!!」

と雄叫びを上げる。

椛「ハァッ!」

そこに犬走が虎に斬撃を与えようとするが、虎は俺から離れて犬走の斬撃を回避する。

佑介「助かった・・・!」

すぐに俺は立ち上がり、体制を立て直す。

虎「グオオオオッ!!」

虎は諦めようとせず、俺に向かって突撃してくる。

佑介「ハァァァ・・・」

拳を固く握り締め、拳に霊力を注ぐ。

そして、

佑介「くたばれぇぇ!!」

渾身の一激を虎の頭に叩き込んだ。

虎「ゴアッ!!」

俺の渾身の一激を浴びた虎は、その場に倒れ込んだ。そいて、そいつは息をしなくなった。

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佑介「フン!」

バシャッ!と男に水をかける。そのおかげで男は目を再び開けた。

???「[ん?・・・っ!?な、なんだこれは・・・!?]」

男はロシア語で言う
男は自分が縛れられていることに気づくと、じたばたし始める。
そんな男に、俺もロシア語で答える。

佑介「[やっと起きたな・・・どうだ気分は?]」

???「[気分なら最っ高に悪いさ!いいからこの縄を解け!この悪魔めッ!!]」

佑介「[俺の質問に答えてくれるならな]」

???「[フン!悪魔に答えることなどないっ!]」

佑介「[そうかい・・・じゃあ、少し痛い目にあってもらう必要がある・・・]」

俺はその場から離れて、離れてみていた射命丸たちのところに行く。

射命丸「何を話していたんですか?なんだか聞いたことない言葉が飛んでいましたが・・・」

佑介「あぁ、ロシア語を話していたし、やっぱり外の世界のロシア人だな。恐らく、マカロフ拳銃を流出したのも奴だ」

射命丸「どうしてそこまでわかるんですか?」

佑介「マカロフ拳銃は外の世界のロシアという国で作られているんだ。そしてあの男はロシア人だ。可能性は高い。だがあいつは簡単には口を割らないだろうな・・・」

文「どうするんですか?」

俺は小道具などを入れているポーチからナイフと小さな竹を取り出す。
そして、その小さな竹をナイフで小さく、先を鋭くするように研いでいく。

佑介「これは俺の趣味じゃねえし、あんまりやるたくなかったが・・・拷問するしかねえだろうな」

文「拷問って、どうやって・・・」

佑介「この竹べらを、爪の間に入れて入れる。昔紛争地で機密情報を持った敵を拷問したところに立ち合ったことがある。あんまりいいもんじゃねえし、お前らは守矢神社に戻っておいてくれないか?」

椛「で、ですが・・・」

文「椛、ここは佑介さんに任せましょう。素人の我々がいても邪魔になるだけです」

射命丸は俺の顔を見てそう言う。
確かに、これは素人が見たら確実に失神してしまうだろう。俺も初めて見た時は吐きそうになった。

椛「・・・わかりました」

犬走も納得してくれたようだ。二人は守矢神社の方向を向いてそのまま歩いて行く。

佑介「さて・・・」

気が乗らねえが・・・やるか・・・。

佑介「[もう一度聞くが、言う気は無いんだな?]」

???「[くどいっ!悪魔に言うことなどないっ!]」

佑介「[そうかい・・・後悔すんなよ・・・?]」

俺は縄で縛っている手を取り、その手の指の爪の間に竹べらをかざす。
そして、少しずつ力を入れ始める。

???「[っっっっ!!!]」

男はその想像を絶する激痛に歯を食いしばる。

佑介「[言えっ!言えばすぐにやめてやる!]」

???「[っ・・・!こ、とわ、る・・・!!]」

佑介「くっ・・・」

さらに力を込めて竹べらを指の間に入れる。
ギジギジギジギジ!と爪と指が剥がれ、血が滲み出す。

???「[っ!!ぐあああああああああ!!!!]」

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〜2時間後〜

佑介「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・」

手を血まみれにしながら、俺は男の顔を見る。
男は激痛により気絶してしまった。
クソッ!頭が痛い・・・吐き気もする・・・。
木の枝から見える小さい隙間からはオレンジ色に染まる空が見えた。

佑介「とりあえず、治療だけは済ませてやろう・・・」

ポーチから治療セットを取り出し、傷つけてしまった指に包帯を巻いてやる。
出血も止め、包帯も巻いた。今日のところはコイツを紅魔館に連れて行こう。
部屋に監視していれば少なくとも騒ぎは起こすまい。

???「まったく、キミは面白いね!」

佑介「ん?」

後ろから声が聞こえ、俺は反射的に後ろを向いてしまう。

???「やあっ!」

そこには頭に目玉が付いた帽子をかぶった金髪のショートボブの小さな少女がいた。
この子・・・確かあの本にも載っていたな・・・。確か・・・

佑介「君、守矢諏訪子か?」

諏訪子「おおっ!私のこと知ってるの?そう言うキミは、鷹川佑介君だよね?」

佑介「・・・」

諏訪子と呼ばれる子は俺が背よっていた男の手を見る。

諏訪子「こんなに痛めつけて、しかもやっておいて治療するなんて、面白いことをするね、キミ」

佑介「何が言いたい・・・」

諏訪子「いや、ただ、皮肉だなって思って・・・」

俺にそれだけ言い残し、彼女は消えていった。
なんだったのか俺にはさっぱりだ。
その後、俺は射命丸たちと合流し、俺は紅魔館に戻った。

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〜2日後〜

朝になり、食事を庭に作った牢にぶち込んだあの男の元に持って行く。
片方の指は痛々しく包帯で巻かれている。
まあ、俺がやったんだか・・・。

正志「で、何か喋ったのか?ポン」

正志は小悪魔が捨てた發を取る

佑介「いや、何も喋らねえ。ずっと黙りだ・・・リーチ」

フラン「それチー!」

あっ・・・一発は消えたか・・・。

正志「それで?お前はどう思うわけ?今回のマカロフの流出」

佑介「さあな・・・今はどうあれ情報が足りなさすぎる・・・様子見ということにもなるだろうな。まあ、無事に回収済みだし一件落着ってことだ・・・チッ」

ツモった西を捨てる。

正志「ロン」

佑介「あ?」

正志は手牌を倒すと、そこにさっきの西を持って行く。

佑介「なっ!大三元の西単騎待ちだとぉ!?」

正志「ッハッハッハ!お前は昔から詰めが甘いんだよ。これでお前はまた飛んだな」

佑介「ぐぬぬ・・・」

小悪魔「す、すみません三代目・・・」

佑介「ん?なんだよ・・・」

小悪魔「私もロンです・・・」

佑介「ヌアッ!!?」

正志にあることを頼むため、こうして紅魔館に来てもらったのだが、何故か麻雀がやりたいと言い出し、俺、正志、フラン、小悪魔で卓を囲むことにしたのだが、俺は連戦連敗。
安い役しかアガれていない。

イライラしてくるとタバコを吸う本数が増えてしまう。
この日10本目のタバコだ。

正志「俺にも一本くれ」

佑介「お前はガムでも噛んでろ・・・」

正志「ひでぇな〜・・・フランちゃん。こんな兄貴分を持ったら苦労するだろう・・・」

フラン「ぜ〜んぜん!私はお兄様のこと好きだもん!」

いいぞ〜フラン、もっと言ってやれ。お前には俺の分のケーキをやろう。

正志「健気だね〜・・・ホント、あやかりたいねぇ〜・・・」

と言い、正志は俺をジト目で睨んでくる。何やら殺気と嫉妬に満ちているような気がするが、気のせいだろう。何を怒っているのかも、俺にはさっぱりわかんねえし・・・。

正志「で、妖怪の山とかいうところに居るとかいう化物は?」

佑介「それは犬走たちが調べた・・・先に探索していった奴らはあの男が住んでいたと思われる洞窟を発見したんだと、そこには大量のマカロフ拳銃とあいつの仲間と思われる死体がギッシリ・・・恐らくあの虎の仕業だろうな。先の探索隊はそいつらに捕まっていたが全員無事だったらしい」

正志「そうだったのか・・・で、俺を呼び出した理由は?」

佑介「マカロフを外の世界に持って行ってくれ」

正志「いいのか?お前ここで自警団を作ってんだろ?そいつらに配れば・・・」

佑介「冗談言うな・・・素人に銃を渡して暴発されても困る。これは持って帰ってもらう。さあ!続きだ。牌を取るぞ」

既に組み立てた牌を手に取っていく。

正志「・・・お前、そんなんで勝てるのか?その聖夜とか言う奴に」

佑介「さあ?」

正志「さあってな、お前・・・」

中か・・・いらねえな。

佑介「まあ、俺はこう思ってる。勝てるかどうかじゃねえ。勝つんだってな。正志。その牌ロンだ」

俺は見えるように手牌を倒し、正志が捨てた牌を置く。

正志「なぁっ!?国士無双だと!?お前積み込んだだろう!?」

佑介「さあ、何のことだか・・・」

タバコを吹かしながら俺は勝利を噛み締める。
そう・・・俺は勝つしかないんだ・・・この世界の平和だけは、俺の手で守る。

〜39章〜 終
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