東方鷹伝 外伝


□過去編「佑介の思い」
1ページ/1ページ

嗚呼・・・あれは忘れもしない桜が舞い散る春の話だ・・・俺はまだその頃はただの青二才のガキだった。身長が高かったせいで大人びて見えたらしいが、俺は自分が大人だと思ったことがあまりない。
人間の真の姿を見たあの日から俺は変わった。俺はあの日を境に、一時的な殺人マシーンでしかなかったのだから。

〜8年前〜
まだ12歳だったころ、俺は他のみんなとは異常に離れ、大学に飛び級した。
今思えば、あれが俺を戦争に駆り出された瞬間だった。
大学を卒業してすぐのことだった。俺は親父のいる傭兵ギルドに入り、正式に傭兵となったが、俺たちの街は大きなテロ攻撃にあってしまった。テロたちは俺たちの学校を乗っ取られた。
テロたちの目的は『金』だ。
『3億を2時間以内に持ってこないと大学の生徒を一人ずつ殺す』
俺の親父はすぐに部隊を集めて大学を包囲、その部隊の中には俺も入っていた。

佑介「親父・・・どうするんだ」

信介「・・・佑介・・・お前この大学入ってたよな?」

佑介「あ、ああ・・・」

親父は「そうか・・・」と言い、タバコを懐から出して口に一本咥える。

信介「お前、中に潜入してこれるか?」

俺は即座に「もちろん!」と言った。
俺は少人数部隊を率いて銃にサイレンサーを付けて大学に潜入した。
中に潜入すると、俺は確実に相手の頭を撃ち抜き、進んでいった。
そう・・・全ては順調に運んでいたと思われた。だが、そう思っていた俺は、まだまだだったってわけだ・・・。
奴は俺たちが入ってくることを予期していた。
俺たちは目的の部屋についたが、そこには何もなかった。

傭兵1「何もないな・・・」

佑介「気をつけてください・・・まだなにがあるかわかりません・・・」

あの時、俺がもっと周りに気を配っていれば、あんな残酷なことにはならなかった・・・。
俺たちは催涙ガスで不意を突かれた。

傭兵「催涙ガスだあ!!」

佑介「しまった・・・!ゴホッゴホッ!」

息ができず、苦しいなか、俺は銃で窓を割って換気をしようとしたが、突然俺の首筋に痛みが走り、俺は気絶した・・・。
次に目を覚ましたとき、俺は体育館にいた・・・辺は俺だけ、装備は取られてなかった。だが、俺にとっては地獄の始まりだった・・・。

佑介「・・・いてて・・・」

立ち上がって辺りを見ても俺一人、他の仲間はいなかった・・・。
その時だ、俺の目の前に一人の男がいた。俺は咄嗟に銃を構えた。

???「いや〜・・・あんたらの潜入、ホント笑えるくらいわかりやすかったよ・・・」

そいつは手にナイフを手に持って俺に近づいてきた。

佑介「動くな!」

俺は警告したが、男は歩みを止めなかった。

佑介「動くなって言ってんだ!!」

警告のあとに脅しで一発ぶっぱなした。もちろん脅しで撃っただけで、傷づけたわけじゃない・・・だが、あの時・・・あの時あのクソッタレの眉間をブチ抜いてりゃ、あんなことはなかった。
奴の後ろには、チームメイトたちがいたんだ・・・十字架のように手のひらに太い木の杭を刺されてた。
あの時の光景を、俺は忘れねえ・・・。
目の前にいるクソッタレは言った・・・『勝負に勝ったら開放してやる。だが、負けたら一人ずつ殺す』と・・・俺は仲間を助けるためにその戦いに乗った。
格闘、射撃、銃の分解組立・・・だが、俺は負けた・・・負けて負けて、チームは次々と死んていった。

佑介「やめろ!!」

仲間の元に走るが、スナイパーが俺の目の前にいる仲間の心臓を撃ち抜いた。
仲間の血が俺の顔についた・・・。
クソッタレは言った。

???「どうだァ!?自分の仲間が目の前に殺されるのはヒャハハハハハ!!!」

その狂った笑いが俺の中にいる悪魔の封印を解いた。仲間が持っていたナイフを投げてスナイパーの頭にぶち込んだ・・・。

???「ヒャ?」

佑介「そこにいろ・・・ブチ殺してやるから・・・!」

俺は我を忘れた・・・そして、次に我に返った時、俺の目の前には『人間だった何か』があった。俺の手には血まみれになった刀。だが、俺はそれでも怒りは収まらなかった。

佑介「クソッ!クソッ!!クソクソクソ!!!」

刀を振り回して俺はその人間だった何かを切り刻んだ。内蔵のようなものを斬り、手も指一本一本とバラバラにした。
外では親父はテロを全員倒した。そんな親父が俺の肩に手を置き、俺を止めた。

佑介「ハァ・・・ハァ・・・!」

信介「佑介・・・」

佑介「親父ィ・・・これが人間か・・・!?人間は、人をゲーム感覚で人を殺せるのか・・・!!」

信介「・・・時代が・・・変わりすぎたんだ・・・」

佑介「親父・・・俺、戦うよ・・・クズともを・・・殺し尽くしてやる・・・!!」

この時、俺は狂気の考えに頭を埋め尽くし、殺戮マシーンに化した。

それから、俺は訓練に訓練を重ねた。そして、いくつもの戦いを生き抜いてきた。人も何人も何人も殺した。そして、俺は14歳になった。極悪なテロたちには容赦はしなかった。

テロ「ひ、ヒィ!!た、助けて!!」

佑介「助ける?誰をだ?」

テロ「や、やめ・・・!」

佑介「テメーは、そうやって命乞いした人間を何人殺した?」

敵にはためらいを持ったことはない・・・容赦なく引き金を引いた。

佑介「死んどけ・・・クソ野郎が・・・」

冷徹の死神・・・当時はそう呼ばれてた・・・戦場での冷たい態度と戦い方から来ているらしい。時には、悪魔とも呼ばれたらしいな・・・俺は当時、テロ事件ならなんでも受け持っていた。あの時は、テロリストという言葉を聞けば俺は飛び出していた。
だが、俺にも国同士の戦争の依頼が舞い込んできやがった。依頼されたのは小さな街の権力争いだった。俺はあまり乗り気じゃなかったが、依頼を受けた。
行ってみるとこれがひどい有様。店はボロボロ、道路のいたるところには爆撃の跡・・・当時の俺は、さほどそんなことどうでもいいと思っていたが、道路に倒れていた猫の死体を見つけ、さらには食料を分け与えた子供の笑顔を見て俺は思った」

佑介「(人は戦争という殺し合いをしている。俺たちだけじゃない、みんな戦ってるんだ)」

ってな。
その時、俺は生命という物の大事さを知り、ひとりでも多く兵士を家族のもとに返すため、世界の平和のために戦って来た。
そしてあっという間に4年という月日が流れ、俺が18になった次の日の戦場で、親父は死んだ。
俺は傭兵をやめて荒んだ。だが、俺も親父も戦う戦士。いずれ別れは来るとわかってたが、ショックがデカすぎた。
それから一ヶ月後、俺は今の平和を噛み締めようとなんでも屋を始めた。そして2年後、ここ幻想郷に迷い込んだ。
そして、俺は義母さん(紫)や、レミリアたちと出会い、親父の意思を引き継ぐために幻想郷の住人として生きることを決意した。

今の俺は、義母さんやレミリア、フランたち家族がいるからこそ、生きるという意思を持ち続けた。
感謝している。俺は、幻想郷にこれて、あいつらに出会えて、幸せだ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ