妖語
□その瞳に映る、世界の真実
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声が聞こえる。
その多くが悲痛で、絶望に満ち溢れたもの。
もう目が見えない僕には、何が起きているのかは分からないけれど、拾い集めた声たちは、その光景を伝える。
空が墜ちていた。
すぐ隣で聞こえる罵声は、らしくなく涙に濡れて、悲しみも、後悔も、怒りも、総てが僕に流れ込む。
本当は優しい言葉を掛けてあげたいのだけれど、それはどうやらできないようだ。
そんなことをする資格も、持ち合わせてはいないのだけれど。
ただ、これだけは伝えたい。
貴方は何も間違ってはいない。
これが、この世界の正しい姿なのだと。
だから、貴方ももう、おやすみ、と。
あぁ、世界が終わる、音がする。
そして・・・