BELIEVE
□Happy Birthday
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【システム7、起動】
右腕の肘から先が伸び、目的に近づくにつれ、その形は刃となる。
「お願い・・・」
邪魔になった机を真ん中から切り裂き、また進む。
「誰か・・・」
そして、オカアサンに近づく。真っ白な首筋がのぞく。
「あの子を・・・」
その首筋をめがけ、刃を振り下ろす。迷いはない。そんな感情は、持っていない。
「殺して・・・」
ピタリと刃は動きを止めた。
【消・・・
オカアサンが、顔を上げた。どこまでも深い、漆黒の瞳に射すくめられる。
「ごめんなさい・・・」
泣きながら、その腕をこちらに伸ばす。届きはしないのに。
「ごめんなさい・・・あなたを・・助けられなかった・・・ごめんなさい・・・」
情けなどいらない。そんな感情はない。殺す・・・
「あなたは生きていてはいけない・・・」
迷いはない。