BELIEVE
□Command to Kill
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開いた端末の画面に5人のテロリストの顔写真と詳細なデータが表れる。
自分で作ったデータファイルだから今更見てもしょうがないのだが、とりあえず今来たテロリスト達と照らし合わせる。
ぴったり一致。
いったん画面から視線を移し、相方の方を見る。驚いたことに、真剣な眼差しで一階の様子を監視している。
「ま、少しは成長してもらわないとね・・・」
「何か言ったか?」
「別に・・・」
少女は手短に言って口論を避け、今度は耳に取り付けた小型通信機のスイッチを入れる。
『どうした・・』
やがて、脳内を走るかすかな電気の流れとともに、聞きなれた男の声が届いた。
(来ました。これより作戦を開始します)
少女はそう、声を出すことなく、所謂心の中で返事をした。
その言葉は脳に埋め込まれたマイクロコンピューターで音声プログラムを与えられ、脳と直接つながった通信機から電波を発し、相手の元へと届く。その時間は、通常の通信機で話しているのと変わらない。
『分かった・・・アズキの方はどうしてる?』
その問いに、少女はちらと先ほどと同じ方向に視線を向ける。
と、いつの間にかアズキの手にはナイフが握られ、敵を眺め回していた。
(今にも飛び出しそうです・・・)
そのため息まじりの返事に、向こう側の男は苦笑し、言った。
『モカ、作戦開始だ』
「了解」
【BELIEVEシステム6戦闘プログラム起動】
「抹殺、スタート」