神様の悪戯

□それ、あたしのセリフ!!
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入学式から五年


―――――小学六年生


あぁ、やっとベラベラ喋っていいお年頃。

ここまで来るのに大変だった。

一番きつかったのがクソ簡単な授業にテスト。

一年生のときの・・・1+1は?にーっ!

はマジで堪えた。

記憶があるとつまんなすぎて欠伸が出てしまうんですよね・・・。


それに数回何も考えずにテストを受けちゃって、全問正解。

天才か!?って職員室中で問題になっちゃって・・・。

すいません、期待に応えられませんが、天才ではないんです・・・。


一番びっくりしたのが1年生のクラスメイトにあの古市貴之がいたこと。

たしか幼馴染なのはしってたけど、まさか小学校からいるとは・・・。

特別話すわけでもなかったから普通にしてたんだけど、暴君辰巳は物の見事に仲良くなった。

そしてあたしに飛び火。

あっという間に親友という間柄に・・・。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


・・・で只今、名前なんだっけ?山口だっけ?に告白されております。

どうも今は告白という前世ではほとんどなかったことが起こりゆく。

前世とは違う顔で比べたら可愛くなったとは思う(前の顔はすでに忘れかけてる)

けど、どうやったって自分の顔に愛着はない。


「俺と付き合ってください!」


あら律儀に頭まで下げちゃって。

実際嬉しいんだけども、あたしは付き合うとかよくわからない。

だから毎回断ってる。


『えーっと・・・気持ちは嬉しいんだけど、ごめ「おーいレイ帰るぞ」なんでやねん・・・


この状況で出てくるバカがいるか!いや、ここにいるんだけど・・・。

かなりKYな辰巳が告白現場に訪れた。

隣で貴之がアホ!と怒鳴っている。

うん、同感だよ。

山口君?だっけもポカーンとしてるし・・・。


『ごめんなさい!』


パッとお辞儀して辰巳のところにダッシュ。

そして頭にチョップを一発。


「イテっ!」

『告白現場に踏み込むバカがどこにいるよ・・・』

「ここだ!」

『開き直るなバカ!』

「ごめんレイ、俺止めたんだけど・・・」

『貴之は悪くないよ!』


あぁ・・・唯一の常識人が天使に見える。

それに比べてこの暴君は・・・


『山口・・・だっけ。あの子』

「山本だよ・・・。名前覚えてないのか?」

『うん。フルネーム覚えてるの辰巳と貴之ぐらいだよ』


前世の名前とどーも被っちゃって覚えられないんだよね・・・。


「俺、レイしかわかんねー」

『え、貴之は?今現在あたしが呼んでるのに?』

「おー、古市は貴之っていうのか」

「今更かよ。6年一緒で覚えられないほうがすげー・・・」

『ある意味天才・・・』


呆れて辰巳を見るとあたしの頬を手で引っ張り始めた。


『にゃ、にゃにひゅんにょ!!(な。何すんの!!)』

「ケケケッよく伸びるー」

『いひゃいいひゃい!(痛い痛い!)』


いつまで経っても離さないものだから、
仕返しにあたしも辰巳の頬を引っ張る。

お互いに変な顔してるから結局笑って終了。


「今日、古市んちで遊ぶぞ」

「何勝手に決めてんだよ。今日は俺んち無理だ」

「俺んちも無理だ!」


だったら遊べな・・・え、何そのお前んちは?みたいな顔。

いや、別にOKだとは思うけど・・・。


『・・・あたしの家、来る?』

「「行く!」」

『うん、明らか狙ってたよね、確信犯だよね』


ハモって返事しやがった・・・。

そんなにあたしの家でくつろぎたいのね・・・。


「レイんちの母ちゃん優しいよな」

『え、何で?』

「いきなり来ても大歓迎だし」

「いっつもお菓子出してくれるしな!泊まるのもOKだし!」

『いや、それは辰巳と貴之LOVEだからであって・・・』


あたしのお母さんはなぜか辰巳と貴之が大好き。

この前は誘拐しちゃおうかしらって冗談を言ってた。

いや、顔が本気だったけど・・・。


「んじゃ行くか!」

「お前が言うな!」

『二人とも・・・』


それ、あたしのセリフ!!
(三人肩を並べて)
(はしゃぎながら歩き出した)

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レイさんちの母に捕まる10分前
 

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