神様の悪戯
□強制送還
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――――中学二年生
現在・・・
「「「「「待ちやがれー!!」」」」
『無理無理っ!!』
「なんで俺らが追いかけられてんだァ!!」
あたしと貴之は不良に追いかけられております。
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硬中に入学してから1年経って、辰巳はアバレオーガと呼ばれケンカがクソ強くなった。
あたしと貴之は強いわけじゃないから巻き込まれないようにしてたんだけど・・・。
【男鹿の連れ】という、とんでもないレッテルを貼られて・・・いや合ってるんだけど、不良に目を付けられた。
やっぱり原作通り貴之は色々巻き込まれる質のよう。
そしてイレギュラーであるあたしも今日は不良に囲まれた。
そこであたしは一人の男の急所・・・ゴホンッをガツンと一発蹴って(ごめんなさい)貴之と走り出した。
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そして冒頭に至る。
『もう!あたし悪いこと何もしてないのにー!!』
「嘘つけっ!不良の股間蹴っただろ!!俺は何もしてねーよー!!」
全力でダッシュしながら後ろを見ると、
不良の集団が大量に追いかけてきている。
『何で辰巳はいつも、あのむさ苦しいおっさん達と楽しそうにケンカしてるの!?』
「ムサ苦しいってアイツ等同い年だぞ!」
『え、嘘!?老けてるね!!』
「「「「んだとコラァ!!」」」」
「怒らせてどうすんだァァ!!」
怒って早さが増した不良達。
学校付近を全力疾走している。
『早くどうにかしないと屍と化してしまう!!』
「不吉なこと言うな!!男鹿探すぞ男鹿!!」
状況を打開するには今は正義の味方に見える辰巳に助けを求めること。
辰巳は強いから無傷でどうにかしてくれるんだろうけど、
あたし達には無理だよ!!
「携帯!」
『そっか!電話!!』
アドレス帳から‘辰巳’を探し出して直様電話をかける。
ワンコールで出てくれた。早いな!!
<おー、どうし『今どこ!?緊急事態!!いいからこっちに来なさーい!!』
<落ち着け!!なんだ!?>
『だ、か、ら!!貴之とあたし、不良に追いかけられてるの!!お願いだから助けてー!!』
<じゃあ今度レイの部屋で徹夜でゲームな>
『この状況で何言ってんの!?』
<いや、最近行ってねェなーと思ってよ>
『あたしの部屋に行くのを日課にするなアホっ!』
<徹夜でゲームな>
『無視か!!』
「男鹿ァ!!いいから早く来い!!」
もう必死過ぎる貴之がとなりで怒鳴りつけた。
既に不良は近い。
ヤバイ、ヤバイ!!
<古市はコロッケおごりでレイはゲーム>
『わかった、わかったから早くー!!』
一際大きく叫ぶと、追いかけてきていた不良の足音が病んだ。
「よし、やる気出たぜ」
振り向くと・・・
「『男鹿!?/辰巳!?』」
「ちょっと待ってろー。一分で終わる」
いつ来たのか、辰巳が不良達の前に立っていた。
・・・すごくたくましく見える。
あのレイちゃんすきーっていってた辰巳が・・・。
不良をなぎ倒す姿は見慣れてるけど、改めて思った。
「そういや、何で追いかけられてたんだ?」
本当に一分程度で終わらせた辰巳。
不良は地面にめり込んでいて、地獄絵図。
「男鹿の連れだからとかなんとか言ってたな。でも一番の原因は・・・」
貴之の視線があたしに行く。
すべてあたしのせいにする気か!!
いや、あたしのせいなんだけど・・・!!
『不良の股間・・・ゴホンッを少々、カキーンッと・・・』
「何やってんだ・・・」
『男の弱点はそこだァ!って・・・豆知識?』
「ったく・・・無茶しやがって・・・」
わしわしとあたしの頭を撫でた辰巳。
いつもなら子供扱いすんなー!って言うんだけど・・・
辰巳が怒ってるように見えて素直にゴメンと誤った。
「古市は土下座な。謝れ」
「格差激しすぎだろ!!なんだよ土下座って!!」
『男鹿様助けて下さり有難う御座いましたって言うんだよ?』
「レイも便乗すんな!!」
やってられっか!と踵を翻した貴之の腕をガッチリ掴んだ。
『今日はあたしの家で徹夜ゲームだよー。ということで帰れません』
「はぁ!?なんで!?」
「バカめ古市。誘われただけ感謝しろ」
「上から目線やめろ!!いつ決めた、んなこと」
『逃走中の電話で』
「緊急事態になに話してんだ!!」
だって辰巳が交換条件つけてきたんだもん。
われながら真面目に聞いたものだ。
四の五の言ってる貴之を辰巳と一緒に
強制送還
(手を繋いで)
(あたしの家へ)
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この日は本当に徹夜