神様の悪戯

□ありがとう
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聖石矢魔学園からの突然の入学取り消しを申し立てられたあの日―――


親には、辰巳と貴之に説明した通りに言った。

そしたら、お母さんとお父さんは聖石矢魔学園を受験したことも知らなかったらしく、

え?と呆けた顔をしていた。

あぁ、何か苦笑いだよ…。

でも助かった。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


安心したのもつかの間、貴之から電話が来た。

何の用だろ…?まさか、誤魔化せてなかった!?

いや、きっと大丈夫!

明るく話そう、明るく!!

冷や汗がで始めた手でボタンを押した。


『貴之?どしたの?』

<あのさ…入学取り消しの話…>

『え?』

<レイ、嘘ついてないか…?>


BINGOぉぉぉぉ!!

リーチもせずにいきなりBINGOぉぉぉ!!

なんという鋭さだ貴之…!!

いかん、動揺するな。

どうにかして誤魔化せ!!


『な…なんで?』

<…勘だけどな。
 男鹿は気にしてないみたいだったけど、
 あの時様子が変だったから>

『いや…別に何もないよ?』

<正直に言ってくれ。
 俺もレイのこと心配なんだよ>

『貴之…』


電話越しだけど、貴之が怒ってる。

幼馴染だからわかるんだ。

貴之は怒る時、冷静に怒る。

いつもはギャーギャー言ってるけど…。


『…お願いだから、辰巳には言わないでね』

<…あぁ>


貴之の返事を聞いて、正直に全てを話した。

ケンカはしてないけど、辰巳のせいにするのが嫌だった…と。


<そっか…>

『うん。でも後悔してないよ。
 だってさ、ちょっと嬉しかったもん。
 二人と一緒の高校行けるしっ』


これは本音。

結構嬉しかった。

また3人で登校できるなーって。


<ははっ。レイらしいな>

『…バカにしてる?』

<してないしてない。
 …話してくれてありがとな>

『いえいえ。
 …貴之』

<ん?>


ありがとう
(自分でも情けないくらい)
(弱弱しい声だった)


―――――――――――――――
え、この小説、古市寄りなの?
(違います!!断じて違います!!
友情ものですから!!)
 

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