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□03:隣が淋しく感じてしまう
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『隣が淋しく感じてしまう』



君に逢いたいのにその想いを口に出すことができない

こんなにも焦がれる君は一体どこにいるんだい?

ファインダー越しに見る空はとても澄みきった青空なのに何故か僕の心は晴れないんだ

もしかしたら、昨日、君はココにいたのかい?それとも明日、ココに来るかい?

僕は君を諦めることができずにいる。他の人からみると滑稽に映るかもしれないけど

いつも、気付けばこの街角で面影を探しているんだ

視線の先に見えるのは幻?

想い出の残像?

それとも奇跡?

だけど、シャッターを押すと消えてしまう

逢いたい。逢いたいんだ。まだまだ足りないよ、君のことをもっと知りたい

逢って、君が居る事を確かめたい。この腕の中に。だから、どこにいるの?

僕はココに居る。いつでも君に会えるように


「エイジ〜。そろそろ帰ろうぜー」

「あっもうこんな時間か。ごめんボーンズ、写真撮るのに夢中で時間に気付かなかったよ」


ダウンタウンのこの古びた街並みは日本人一人でふらつくには危ない

いくら見知ったリンクスのメンバーでさえ、アッシュが居ない今は何を起こすかわからない

英二が写真を撮る時は必ず、アレックス、ボーンズ、コング、時にはシンが付き添うのだ

それも彼たちが率先して付いてくる

英二は申し訳ない気持ちながらも彼らの想いを尊重している

何より、アッシュを通して知り合った彼らは紛うこと無き友人たちなのだ

だけど・・・いつも隣にいてくれたのはアッシュ、君だったんだ

焦燥感と悲しみが

過ぎていく日々が僕を雁字搦めにしていく

僕は君に囚われたままなんだ。アッシュ。






2012.09.18 RIU.

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