Long

□Again
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『英二、いつまで寝てるんだ。風邪引くぜ?』

『・・・ん?寝てた??』


顔にあたる眩しい光に目を細めゆっくりと重い瞼を開くと空はとても青く、どこまでも高かった。

不意に青い空に影ができ、誰かが僕を覗き込んでいる

太陽の光に照らされ黄金色の髪がキラキラと輝やいていた


『・・・アッシュ?』

『何?お兄ちゃん、もう呆けた?』


そこには懐かしい顔があり、皮肉めいた笑顔を久しぶりに見て胸の奥が詰まった

手を伸ばそうとして、だけど、触ると消えてしまいそうで躊躇しているとアッシュの方から手を伸ばしてきて僕の額にかかった髪を掻き上げた


『そろそろ行こうぜ』

『うん、ごめん。いつの間にか寝ちゃってたんだね』

『本当、日本人ってのはすぐ謝るんだな。』


そう言って笑う君の顔を見るのが何故かとても久しぶりで涙で視界がぶれる

するとさっきまで青い空間に居たはずの僕は白の領域に投げ出された


『アッシュ!嫌だっ!アッシュ!・・・』



急激な覚醒感に目を見開くとそこは・・・

白い天井、白い壁・・・

そう、夢を見ていた。きっと、頭の中で夢だってわかっていたけど・・・

目を覚ましたくなんかなかったんだ

だけど、この白い空間に何か違和感を感じる

何故だろう?

重かった身体。同じ筈なのに幾分か軽やかに感じる。

そして、最後に認識した僕の身体は何本ものチューブが刺してあった筈なのにそれも無い

上半身を起こそうと身体に力を入れると腹部に強烈な痛みが襲う

この痛みは知ってる・・・

手を痛む場所にあてがいゆっくりと身体を起こしてみる

徐々に起きれば多少痛むもののなんとか起きることができた

着ていたパジャマを捲ると幾重にも巻かれた包帯が見て取れた


(・・・これは?)


僕は怪我でなんか入院していない筈なのに

どうして?時計を見てみると5時20分を指していた

外を見ようと立ち上がろうとして足に力が入らない事に気付く

先ほどまで補助光だけだった病室にカーテンの隙間から光が差し込んできた


「夜明け?」


零れ落ちるその光が徐々に強くなってくる

夜明けのその光はとても神々しくて何故か胸の奥から湧き出てくる希望が大きくなってくるのを感じた





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2012.09.27 RIU.
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