新年企画

□たとえばそんな恋の話
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黄笠/ほのぼの


未来の俺の隣には、笑ってる大切なあの人の姿があったら良いな。



【たとえばそんな恋の話】



「センパーイ」



今日はすごく気分が良い。
特別何かあったわけとかじゃないけど、なんとなく。
そんな俺と似ていて、今日の天気は素晴らしいほど快晴。
だから屋上でセンパイと一緒に昼飯を食べようかと思って、センパイのクラスにやってきた。



「あれ…、いない?」


「お、1年じゃん。どした?」



教室の中を見渡してみてもセンパイがいない。
あれ、おっかしいなー。
いつもは授業が終わったらずく復習とかするから絶対いるのに。
不思議に思ってると、多分センパイと同じクラスの3年生が声をかけてきた。
そういや見たことある。
全校集会の時にセンパイとしゃべってた人。



「あの、笠松センパイどこにいますか?」


「笠松?あーそういやさっきすれ違ったな」


「どこでっスか!?」


「渡り廊下だったかなー、なんか急いでたっぽいけど」


「了解っス!ありがとうございました!」



俺は急いで渡り廊下まで走る。
もうちょっと早く来るべきだったっスかね。
渡り廊下に来ると、やっぱり遅かったのか、周りにセンパイの姿は見当たらない。
ああ、さっきまで気分絶好調だったのに!
一気にダウンっスよ…。
がっくりして自分のクラスに戻ろうとした。



「黄瀬?」


「…センパイっ!」


「何してんだ?」


「センパイ探してたんスよ!どこ行ってたんスか?」


「どこって、これ買いに購買行ってた」



がさ、と音を立てて持っているものを俺の前に出した。
おにぎりとパンが入ってた。
あ、なるほど。
ここの学校の購買は、早く行かないと売り切れになるほど人気だから、4時限目が終わったらダッシュで行かないと買えない。
だから急いでたってわけか。



「センパイ一緒に食べません?」


「別に良いけど…黄瀬、走ってた?」


「え?ああ、はい」


「汗かいてるぞ」



センパイはそう言うと俺の髪をふんわり触る。
なんだか抱きしめたくなったけど、しようとしたらセンパイに叩かれた。







「風気持ちいいっスね!」



屋上の風は気持ちいい。
天気も良いし。
センパイがめずらしく、屋上で食べたいって言ったからびっくりした。
まあセンパイが言うことなら全然良いんスけど。
俺も弁当をとりにいって、ゆっくり屋上で昼飯を食べる。



「でもなんで今日、屋上で食べたかったんスか?」


「お前抱き付いたりしてくるから、人がいないとこの方が良いだろ」


「じゃあ、いくらでもして良いってことっスね!」


「ちげえよっ!」



なんだかんだそんな話が続いて、昼飯も食べ終わって部活のこととか話してた。
ってか1つ気付いた。
センパイさっきから、あくびばっかしてる。



「センパイ眠いっスか?」


「ん、別に…」



って言ってるわりには、うとうとしてる。
なんていうかすごい可愛い。
目、閉じそうだな。
俺は少し考えて、センパイの横に寝転んだ。



「はい、おいでセンパイ」



腕を広げてセンパイを待つ。
否定されるとは思ってたけどダメ元でやってみた。
すると、何も言わずにセンパイはうとうと動きながら俺の隣に寝転がる。
ってか俺の腕を枕替わりにしちゃって可愛すぎるんですけど。
その前に理性が!



「センパイ素直」


「うっさい…」


「寝ていいっスからね」


「ん…」


「ねえセンパイ、ずっと一緒にいましょうね」



もう寝ちゃったかな、と思ったけどなんとなく今伝えたかった。
あ、俺も寝そうだな。
うとうとしてきた。



「…黄瀬」


「起きてたんスか?」


「ん…、あのさ、黄瀬がもうちょっと仕事落ち着いたら、どっか行こ…」


「え…」


「遊園地行きたい…一緒に映画見に行きたい…黄瀬、大好き…」



そう言うと、センパイはすーすー寝息をたてて寝てしまった。
やばいな、これはきた。
さっきから顔の熱がまったく冷めてくれない。
口元が緩む。
こんな可愛い人が、俺の恋人だなんて本当、俺って幸せ者っスよね。
寝ているセンパイの頬にキスをすると、なんだかまた恥ずかしくなった。



「遊園地と映画のチケット、買っとこう…」



たまにはこんな先の話をするのも悪くない。
起きたときには、思いっきり抱き締めよう。


end!!


ほのぼのって良いですよね!
ちなみにこれはほのぼのになっているのか(^o^)
お昼寝する2人の話を書きたかったんです!


以下、お返事になります。



風鈴様!

新年企画に参加してくださりありがとうございました!
素敵なリクエストも!
ほのぼのは私も好きなので書きやすかったです!
ご期待に答えているか分かりませんがっ…。
これからもよろしければ訪問してやってください!



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