新年企画
□恋愛1年生
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紫赤/甘甘
誰だって怒るのは当たり前。
でもそれにはやっぱり理由がつきものだと思う。
【恋愛1年生】
やってしまった。
自分の部屋のでため息をつきながら、今は思考回路が上手く回らない頭で、事の状況を整理しようとする。
座っているイスが、今になってすごく冷たく感じた。
大好きなお菓子も目の前にあるのに、全然食べる気分にならない。
だって初めてなんだもん。
赤ちんと喧嘩なんて。
「あれは俺が悪かったのかな…」
でも分かんないし。
なんで赤ちんがあんなに怒ってたのかが。
そもそも、理由も言わずにいきなりあんなに怒られちゃったら、やっぱり俺だって意味分かんなくなって怒っちゃうよ。
ただの言い合いみたいになっちゃってたし。
なんで何も言わずに、あんな泣きそうになって怒ってたのかな。
やっと冷静になった頭で、一生懸命考える。
「分かんないなー…」
今日は何回重くて暗いため息が出ることやら。
考えこそが暗くなってきて、目の前の机に突っ伏して、また口からこぼれる嫌な空気。
赤ちん会いたいよ。
会って教えてほしい。
携帯を開けても、新着メールはきてない。
俺から送ろうかな。
返信くるかな。
少し考えて、携帯を閉じた。
「いいや、今から行こう」
確か今の時間なら、きっと赤ちんは塾にいる。
今から走って行って、いや自転車でいっか、それで多分だいたい20分くらいでつくとして、赤ちんの塾が終わるのがあと30分だから、ぎりぎり間に合う。
急いで家を出て、自転車のペダルを踏む。
ああ、疲れる。
あんまり疲れることは好きじゃないしめんどくさい。
でもそんな事は今関係ない。
赤ちんに会わなきゃ。
「は、はあっ…着いた」
自分が思ってるほど時間に余裕はなかった。
もう家を出て30分はかかっちゃった気がする。
赤ちん帰ったかな。
そんな不安が胸を痛める。
塾の自転車置き場で待っていても赤ちんは入り口から出てこない。
やっぱもう帰ったかな。
はあ、とまたため息が出た。
「…敦?」
「っ赤ちん…!」
下を向いていた顔を上げると、そこには会いたくてたまらなかった人がいた。
ほんとは今すぐ抱きしめたかったけど、交渉の場では駄目って赤ちんが前言ってたから我慢した。
赤ちんは驚いた表情をこっちに向けていた。
「な、んで…」
「俺ね、やっぱあのまま嫌だなって思って」
「わざわざ来たのか…」
「うん、赤ちんに会いたくなっちゃって」
へらっと笑うと、赤ちんは泣きそうな顔になった。
あ、この顔、赤ちんと言い合いしてた時の顔。
なんだか俺も泣きそう。
ぽふぽふ、と赤ちんの頭を撫でると、赤ちんはうつむきながら、ぽつぽつとしゃべりだした。
「…昨日学校で、敦たくさん女子にお菓子貰ってたから、その、すまない。嫉妬してしまった」
「…え?」
「こんな事で嫉妬するなんて、心の狭い奴だと自分でも自覚してる。でも僕はやっぱり敦の恋人だから、でも」
「ちょっと待って赤ちん」
「なんだ…?」
「赤ちん…妬いたの?」
「そうだと言っているが…」
「ごめん、すごい嬉しい」
「なっ、なんで」
だってね、赤ちんはいつでも完璧でしょ。
赤ちんの中では、俺なんてただの恋人にすぎないんだろうなあ、なんて思ってて、赤ちんは絶対に嫉妬とかしないだろうと思ってたから、むしろ俺ばっか好きな気がしてた。
それを赤ちんに伝えると、むすっとした顔をした。
「僕はいつも好きと伝えているのに、それが信じられないという事か?」
「えー違う違う、そういう意味じゃないんだけどね」
「僕だって昨日の女子たちよりは、敦の事、だ、大好きなのに…」
ぷいっとそっぽ向きながら耳まで赤くして言う赤ちん。
もうなんでそんなに可愛くなっちゃうかな。
なんだかまた嬉しくなって、赤ちんが持ってた教材とかが入ってるカバンを手に取って顔に近付けて、周りには見えないようにキスをした。
「っ…誰かに見られたら」
「大丈夫大丈夫、それに見られたら何か問題あるの?」
「ばか、」
「赤ちん、俺の事好き?」
「大好きだ」
「うん、俺も」
大好きすぎる、そう言ったら、赤ちんは照れながらへにゃっと笑った。
うわ可愛い、大好き。
ねえ赤ちん。
これからもどんどん喧嘩しても良いと思う。
その分、仲直りもね。
だってまだ俺たち恋愛1年生なんだから。
end!!
今さらさらですが、同じ学校な設定でした!
妬く赤ちんが書きたかっただけなんです、あははなんという俺得。
紫赤はやっぱ可愛い!
以下、お返事になります。
セトヲ様。
新年企画に参してくださりありがとうございました!
おまかせということで、こんなのかっすいのしか書けませんでしたがっ…。
少しでも気に入ってくだされば嬉しいです(^o^)
これからもよろしければ訪問してやってください!
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