新年企画

□可愛い子にはキスを
1ページ/1ページ



緑高/甘


なんだかんだでいつも通りの日常。
でも1つ違う事がある。



【可愛い子にはキスを】



驚いた、というよりはなんで、という疑問の方があながち間違いではない。
髪の毛の先からポタポタとこぼれる水滴が、肩を濡らす。
休日にインターホンが鳴るのは珍しいことじゃないけど、ドアを開けて立っている人物は、とても珍しかった。
まあ俺にとってはね。



「どしたの、真ちゃん」


「どうしたって、ただ会いに来ただけなのだよ」



平然と言う真ちゃん。
いや意味分かんないから。
約束もなしに真ちゃんが俺の家に来るなんて始めてだ。
むしろ多分あり得ないくらいだと思う。
でも目の前にいる。
別に暇だったし、ぶっちゃけ会いたかったから俺にしてはすごい嬉しいんだけど。



「高尾、寒い。早く入れろ」


「え、ああ、どうぞ」


「おじゃまします」



我が物顔で俺の家に入ってくる真ちゃん。
それに続いて、俺もドアを閉めて家に入った。
リビングに行くと、上着を脱いでソファーに座ってる真ちゃん。
さっそくくつろいでるし。
どこ座ろうかなって思ったけど、取りあえず真ちゃんの隣に座る。
髪の毛乾かしてねえ。
でもだるいな。
いまだに毛先からポタポタとこぼれる水滴は、俺の肩を濡らしていく。
タオル取りに行こ。
そう思って俺が立ち上がろうとするより先に、真ちゃんが立ち上がって洗面台の方に行った。



「え、真ちゃん?」



トイレはそっちじゃなくて反対の方、と言おうとしたら洗面台からタオルを持って出てきた。
それからまた俺の隣に座って、体制をこっちに向けた。



「ほら、早くこっちを向け」


「え、何?」


「髪の毛が濡れている。風邪を引くだろう」


「わっ、」



わしゃわしゃと俺の髪の毛を拭く真ちゃん。
な、なんかこれはずい。
でもやっぱ嬉しいわけで、あえて何も言わずにじっとしといた。
なんかほんと、今日の真ちゃんはおかしい。
いや、おかしいっていうか変なのはもちろんいつもなんだけどさ。
なんか、優しい?
いつも以上に。



「こんな昼間に風呂か」


「なんとなくさっぱりしたかったからさ」


「そうか。高尾、このまま乾かすから、ドライヤー」


「え、俺やるよ?」


「いいから」



ふんわり笑いながら言う真ちゃんに負けて、ドライヤーを渡す。
真ちゃんに背中を向けて乾かしてもらう。
ああもう、何。
これはあれか、あれなのか。
ツンデレにたまに来るっていうデレ期とか?
じゃあ思いっきり真ちゃんに甘えちゃったりしても全然良いってこと?
ぐるぐる考えながらも、俺の髪を乾かす真ちゃんの手が気持ちいい。
眠たくなる。
寝そうになった瞬間に乾かし終わったみたいで俺は真ちゃんの方に向き直って聞いた。



「真ちゃん」


「なんだ」


「今日、どしたの」


「会いに来たのだよ」


「それさっき聞いた」


「…明日の日付は何だ」


「16日」


「俺たちが付き合って何年目だ」


「…3年目」


「だからなのだよ」



明日で俺たちが付き合ってちょうど3年が立つ。
もちろん覚えてた。
だから明日は真ちゃんとデートとかしたいなーって考えてた。
でもそれは今日じゃなくて明日の話な訳で。
意味が分からずに、首を傾げると真ちゃんはそっぽを向きながら言った。



「今日の12時で明日だろう。だから今日はずっと一緒にいるのだよ」


「え…」


「たまには甘やかしてやると言っているのだよ」


「っ…真ちゃん大好き!」



勢いよくぎゅむっと抱きつくと、真ちゃんも強く抱き返してくれた。
もう、かっこよすぎ。
だから好き、大好き。
俺は嬉しくて真ちゃんをぎゅうぎゅう抱きしめた。
するといきなり、ちゅっとだだ軽く触れるだけのキスをしてきた。



「な、何いきなり」


「いや、ちょっと可愛すぎたのだよ」


「じゃあ、もっと」


「もちろんそのつもりだ」



ねえ真ちゃん。
明日は今日より、もっともっと甘やかして。


end!!


真ちゃんは高尾が可愛くて仕方ないと思う。
だから甘やかしたいけど普段は冷たくしちゃう。
でもたまには存分に甘やかしてあけだい真ちゃんだったらペロリ←


以下、お返事になります。



匿名様。

新年企画に参してくださりありがとうございました!
いちお高尾を甘やかせてみたつもりなんですが、ど、どうでしょうか!?
途中意味わかめです、はい←
これからもよろしければ訪問してやってください!



.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ