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□rock、on
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やっぱり好きな人はどんなやつよりも可愛くみえる。



【rock'on】



「なんだこれ…」



目の前にある、キレイにたたまれている服。
なんだか嫌な予感。
それはやっぱり的中する。



「だからさ!!今年の女装男子は高尾に決定したんだって!!」


「俺何も聞いてねぇよ!?」


「だって聞いたら嫌って言うじゃねぇか!!」


「当たり前だろ!!」



高尾和成、高校生。
只今大ショック。
毎年恒例の学校フェスタ。
クラスの代表が各種目に出て、点数をもらって総合点数で優勝クラスを決める。
種目はたくさんある。
カラオケ対決や早押しクイズ、王様ゲーム、女装男子コンテストなど。
俺はただ見とくだけでよかった。
よかったはずなのに!!



「なんで俺が!?」


「高尾くん可愛いからだよ!」


「高尾ならいける!!」


「まじかよ…」



女装男子コンテストに出るのはなんと俺になった。
ありえない…。
第一、俺は可愛くないし。
ああもうまじ嫌!!
するといきなり後ろから痛いほどの視線を感じる。
誰かは大体分かるんだけど振り向きたくない。
だってその視線、すげぇ邪悪なオーラ漂ってるんですけど。
おずおず振り替える。



「何かな緑間くん…?」


「あれは一体どういうことなのだよ高尾」


「俺だって分かんねぇんだよ!!」


「女装、だと…!?」



がし、と腕をつかまれ、瞬間びくっとした。
真っ直ぐ俺を見る緑間がなんともかっこいいなんて思ったのは次の言葉で一瞬で消されていった。



「コンテストに出ろ」


「…は?」


「他のやつに見られるのは気にくわんが、俺も高尾の女装を見てみたいのだよ。絶対に可愛いからな」


「でも女装だぞ!?」


「ああ、分かってる」


「可愛いわけねぇじゃん!!」


「いつも可愛いぞ、高尾は」



あれ、緑間こんなキャラだったっけ!?
もうなんかはずいし!!
少しため息まじりに分かったと言った。
こうなったら真ちゃんがおもわず声上げちゃうくらいに可愛くなる!!
いややっぱ無理かも。






「高尾くん可愛い!!」


「ちょ、まじやだ!!なんだよこのかっこ!!」



以前目の前にある服を今着ている。
女装だからこれくらいは着ないとダメかと思ってたけどやっぱりはずかしい!!
世に言うセーラー服。
スカート短い!!
ニーハイもなんだかもどかしい。
女子たちは楽しそうに俺の服や髪の毛の身なりをちゃんとしてくれる。
そこ感謝するけど…。
こんなかっこで真ちゃんに会うなんて。



「ってか髪は?ウィッグとかつけないの?」


「あれ高尾くん知らない?」


「コンテストでウィッグは使用禁止なんだよ!!」


「え!?じゃあ俺普通にセーラー服着てるただのキモい男子じゃん!!」


「高尾くん可愛いから全然大丈夫だよ」


「髪もさらさらだし」


「耳の後ろの髪、ピンでとめとく?」


「いいね!!可愛い!」



また女子たちが盛り上がっていく。
もう、どうにでもなれ…。
こうなったら役になりきっちゃおうかな。
高尾和成、いきます!




「俺の出番は1、2、3、4…10番目か。まだ時間あるな」



舞台裏でスタンバイ中。
今表のステージでは王様ゲームをやってる。
この次だ。
周りは女装コンテストに出る男子が集まっていた。
みんな可愛いなー…。
俺こんなんだけど本当に大丈夫かな。
緊張してきた。
ってか腹痛い。



「せんせー、ちょっくらトイレ行ってくる」



近くにいる先生に声をかけてその場を離れる。
あ、なんか腹痛いのおさまったかも。
トイレの前まで来たのに。
戻ろうとするといきなり後ろから腕を引っ張られた。



「、真ちゃん!?」


「やっと見つけた」


「え…」


「探してもいなかったから心配したのだよ」


「あ、うん。ごめん…」



少し照れる。
ってかこの状況どうしよう。
すごい嫌だ。
しかも俺今こんなかっこ!!
するといきなり緑間が抱きついてきた。



「え、ちょ…」


「可愛すぎるのだよ!!」


「…はい?」


「こんな可愛いなんて、他のやつにますます見せたくなくなったきたのだよ…」


「真ちゃん…」



いやでも出ろって言ったのあなただからね。
こんな矛盾してる恋人が大好きな俺は重症かも。



end!!


もはや意味わかめごはん。
無理矢理end。

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