book

□人事尽くせ
1ページ/1ページ



三浦いんた様から/緑高





「やべえわ、今日くっそさみいわ」

高尾が息を吐けば白く、直ぐに闇に溶けた
チャリヤカーの荷台に乗り込む
緑髪は高尾にキリキリ走らせるのだよ、と
いつも道理の渋面。

「んな事言ってもよー
さみーから近くのコンビニ寄るぜー」

コンビニに暖を取りに行けば
お汁粉を買わされた
面倒で少し頑固だけど
エース様なら仕方ないか、と一人納得し
お汁粉の缶を開けてやる。
すると嬉しそうに頬を緩ませるから
悪いだけじゃない
地味にお汁粉代が別の財布に有ったりする
この顔が見られるならいくらでもどうぞ

「…高尾」

エース様がこちらを見る
何々?と近寄れば火傷したのだよと
火傷は仕方ないが俺はなにをすべき?
しゃーねーなぁってお汁粉を冷ますべき?
それとも猫舌なエース様を笑うべき?

「ん。」
「?この手は何かな真ちゃん」
「手を…」
「手を、握らせてやるのだよ。」

ぶっは超上からだ
いつも道理だねエース様!
あんがと、と呟いて
真ちゃんが差し出した手を握る
再び真ちゃんが満足そうに笑う。
わかんねえな真ちゃん

「……暖かいのだよ、高尾」
「真ちゃんの手が冷たすぎるんじゃねえ?」
「失礼なのだよ」

お前の手の暖かさは子供だからなのだよ!
と半場ヤケになって叫ぶ
いやいや、
真ちゃんが冷え性なだけじゃねw

よく見たらチャリアカーにはブ
ランケットがあって
プチ快適空間になっていた
畜生道理で少し重いと。
今度猫と戯れさせてやろうか

「寒いのだよ、早く行くぞ。」

そう言いながらチャリアに腰かける
エース様
よしよし、マッハで飛ばすから落ちんなよ
と呟いて
エース様を見やれば
手に息を掛けていた。
たく、
大事な手なんだから手袋位しろっての

「暖めてやるから手ぇ握って、真ちゃん」
「良いのだよっ!」
「さっきも繋いだだろー」
「…は…恥ずかしい、のだよ。」

きゅーんときた
俯くエース様の綺麗にテーピングされた
手を握って
驚いた衝撃に上げた顔にキスをする

「後払いな、後でお返しよろしく
真ちゃん!」
「っ!?
ふっふざけるなっ!!!!」

がつーんと握った拳が飛んできた。痛い



--------------


キリ番を踏ませて頂いちゃいましたのでリクエストさせて頂きました!
素敵な緑高、ありがとうございました!



.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ