□幼児化B
4ページ/13ページ

「...............。」
「...あら?魏延、どうなさいましたの?」
次の日、諸葛亮の部屋の扉の前に立っている魏延に、諸葛亮の妻である月英は気付き、彼に話しかけると、魏延はこちらを向き、
「......月英......我、諸葛亮ニ......用アル...。」
「あら、では部屋に入れば良いじゃないのですか。」
「......鍵......カカッテル......。」
「え。」
どうやら諸葛亮に用があり、ここまで来た魏延であったが、諸葛亮の部屋の扉には、鍵が掛かってあり、入れなくて困っていたようだ。
「おかしいわね......殿も入ってくるでしょうから、鍵は一応開けときましょうとその扉には、常に鍵は開いているはずなのに...。」
「常ニ......?」「常に。」
(......不用心...ナ「男と思ってしまうでしょう?彼もさすがにそれは自覚しているようですが、けど鍵開けとかなければ劉備様、『私の事が嫌いになったのか...』とかになって、もうメンドくさくなるんですよ。だから常に、不用心な事ですが、鍵は開けているんです。全く、殿はほんと、皆様を困らぺらぺらぺら......。」...読心術...カ...?(汗)
「とにかく、殿が来る前に、鍵を開けさせなければ。」
「......月英。」「ハイ??」
「......オマエニ......聞キタイ。」
「何でしょう。」
「...コドモ......、ツクッタカ?」
「ハッ!?」
魏延の意味不明な質問に、思わず月英は間の抜けた声を出す。
「......それ、どゆこと、ですか...?」
おそるおそる魏延にその質問の意味を聞いてみると、魏延の口から驚きの一言が出る。

「......コドモノ声......聞コエル...。」

...しばらく、辺りは沈黙になり......
「...はぇ!?」と月英は変な声を出して、
「それは聞いた事ありませんねしかし孔明様にいつか子供が出来る事は事実でしょうですが今のところそういうのはまだ聞いた事もありませんそれに私もまだおなかの中には子供などできてませんよ一体あなたは何をまたおかしなことを仰っているのですか孔明様が私に秘め事など作るお方ではありませんのよ全くいくら貴方と孔明様はあまり仲良くないからと言って......。」
「何故......戦戈......持ッテル...(汗」
「そりゃもし孔明様が浮気をなさっていたら、もうぶっとばそうと思いましてね...(怒」
(鬼嫁......テヤツカ......。)

カタカタ、カチッ

「カチッ...。」

急に扉の鍵を開ける音が聞こえた。
同時に......
「...だれか、いるんですかー?」
(こ、子供の声!!マジなのね!?)
子供の声が聞こえ、月英は諸葛亮の部屋に入った。
しかし、部屋に入ると、誰もいない。
「...誰モ......イナイ......。」
「.........まさか、」




「司馬懿!?」
「............(滝汗」

...いや、幽霊とかなら分かるが、何故司馬懿がここで出てきた......。
と、思っていたが、何故か口には出せなかった魏延であった。
だが、再び子供の声が聞こえる。

「...どなたですか??」
「!!」
下から聞こえたので、おそるおそる、下を見ると......
「...はじめまして!」
「.........。」
「コドモ......。」
驚きのあまり、固まってしまっている月英と、仮面の奥で、目を見開いている魏延。
そんな二人の反応に気付かず、子供は自己紹介をする。が、その自己紹介はおかしかった。
「えっと、はじめまして、ぼく、名前は諸葛亮っていいます。よろしくおねがいします。」
「よ、よろしく......ん??諸葛亮???」
「??」
まさか、孔明様ったら、この可愛らしくて小さなお子さんに、自分の偽者、つまり影武者としてこの子を使っているわけ無いでしょうまったく、孔
「明様たら、おほほほほほほほほほほほ。」
「明...?」
「あの、」「!!」
「おねーさんたち...お名前は?」
「あ、あぁ、」
月英は少し心を落ち着かせ、子供の近くでしゃがみ、子供の目線に合わせた。
「私、月英って言うの、孔明様の妻だよ。」
「孔明...?」
「ああ、孔明っていうのは、s「僕のあだな、孔明って言うんだけど...」うん、あだなじゃなくて、字ね。って、貴方の字、孔明...?」
「うん、...僕、まだ誰ともけっこんしてないのに。」
「.........。」
「......諸葛亮...?」
「あ、仮面つけてるーー!!」
子供が魏延に飛びついてこようとしてきたので、魏延は反射的に彼を抑えてしまった。
飛んで空中に浮いた子供の顔をわしづかみにして。
ぷらーんと胴体の力を抜いてる子供は、魏延の指の隙間からじぃーーーと見て、
「...僕、諸葛亮なのに、信じてくれないなんて。」
「「.........。」」
「...おねーさんたち、イジワル...(クスンッ」
「「.........。」」
子供は涙を流した。
周りには誰もいなく、子供の言葉も合わせると......
(これまさか、私達が子供を泣かせちゃった感じ!?)
そう思った月英と魏延は、慌てて子供を泣き止ませる。
「あ、あのあのあのね!?違うのよ別に疑ってるわけじゃないのよ!?(慌」
「......オ前......諸葛亮......(焦」
「そう!そうですよ!あなたは諸葛亮ですよーーー!」
あんまり棒読みすぎて、なんかやっぱり信じてくれてないと思った子供は、とうとう大泣きしてしまった。
「きゃーーーーー!!ほんとに信じてるって!!お願い、泣かないでーーーーー!!」
「.........困ッタナ......。」
「魏延!あなたもこの子を泣き止ませて!!」
「......我ラ、オ前......疑ッテル...チガウ...。」
「わぁぁぁぁぁああああん(泣」
「ああああああああああああん(泣」
子供も月英も泣いてしまって、一人泣いていない魏延は、とにかく困ってしまっていた...。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ