□幼児化B
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「......何で泰チン、アタシたちには教えてくれないで、孫堅サマには教えてあげてるんだろ。」
部屋の外で殿達の会話を盗み聞きしていた小喬達。小喬は、周泰が何故孫堅にだけ自分の過去(水賊の船に乗っていたときの出来事)を教えていたのか理解できず、不満に思い、ぷーっと頬を膨らます。
「それはしょうがないでしょう?もしかしたら本当は一切誰にも教えたくないのに、大殿に聞かれたかなんかしたから、やむを得ず、大殿には教えたんじゃないの?周泰様の事だから、殿には逆らえなかったんじゃないの?」
大喬の言葉に、小喬は「そっか!」と納得する。
「...では、父上の子である私も、幼平の過去を幼平本人に聞けたかもしれんと言う事か。」「そうかもね。」
しゅんと落ち込む孫権と尚香の会話に小喬と黄蓋は、顔を合わせる。
「どうなさいました?黄蓋殿と小喬殿。」
「ううん、なんでもないよ!」「ああ、わしも特に...。」
切なげな顔になってしまっていた小喬と黄蓋に、陸遜は首を傾げてどうかしたか話しかける。
特に何でもないと答えた二人に疑問を持つが、ふと綾統の顔を見る。
「ん、どうかしたの、俺の顔見て。」
「...綾統殿。」「ん?」
「そういえば、貴方の顔見て思い出しましたが、甘寧殿、帰ってきてませんよね。」
「!!」
陸遜の言葉に、皆はあぁ、と思い出す。
「確かに。甘寧はあの時、大殿を呼びに行ったきり、そのまま戻ってきてないな。」
「そういえば、策兄さまも、大史慈も、呂蒙も皆、まだ戻ってきていないわね...。」
「孫策様...、大丈夫かしら...。」
「周瑜サマ、まだ帰ってきてな〜〜い!!」
山賊退治に行ったきり戻ってきていない甘寧達の事が、心配になってきた孫権達...。
(...甘寧...。)
綾統も、甘寧が心配になってきていた...。
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