□幼児化B
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...その頃の甘寧は......、



「...へっ、まさかてめえら山賊の正体が、まさか水賊だったとはな...。」
甘寧は、両手首を後ろに縛られ、捕らわれていた。
甘寧の前をゆっくりと歩く男は、甘寧を睨む。
「今の世は乱世だ。色んな方法で敵を倒したり、貴様のように捕らえたりするのはあたりめーだろーが。」
「だからって、何でオレをこの船の上で縛ってまで捕まえたかったんだ?」
甘寧の質問を聞いた男は、彼の顎を持ち上げると、その質問の答えを出した。
「そりゃあな。貴様が裏切り者だからさ。」
「......はぃ?」
「貴様も周泰も、元は水賊だったくせに、その孫呉って所の武将になっただぁ?はんっ!!笑わせてくれる!」
「ああ?確かに俺は長江を荒らしまわった水賊の長だし、黄祖にも一応従った。だがそいつには冷遇されてたからなぁ。孫家の人たちの配下になったっけ、黄祖んとこなんかより、全っ然楽しい!!船を使っての戦の時は、この俺を戦に出してくれるんだぜ?ほんとに孫堅殿達は、黄祖と違っていい殿だ。」
「.........。」
男は右手を後ろに隠し、その手をプルプルと震わせていた。甘寧は気付かずに、まだ話す。
「お前らはどうしてまだそう水賊やってんだ?元々水賊だった俺だが、今の俺から言うと、はっきし言ってこの乱世ん中、お前ら水賊も、山賊も邪魔なんだよ。同じく元水賊だった周泰も、きっとそう思っているに違いねぇ。もし乱世ん中に、賊が邪魔だって分かってんなら、さっさと消え「やかましい!!」
ザシュッ!!!
「うぐぅっ!!!」
痺れを切らした男は怒り出し、後ろに隠していた右手で腰に掛けてた鞘から短刀を抜くと、甘寧の左肩を斬った。傷ができ、そこから血が流れ出した。
「......っ何だよ......。そんなに怒りやがってよ...っ。」
「黙れ!貴様、おれが何もんか、わからねーようだな。」
「.........。」
「黄祖の元手下だ。」
その男は、憎悪の目で甘寧を睨むが、甘寧は平然とした顔で
「......へぇーー、黄祖の手下か。俺でも知らねえから、下っ端あたりか?」
「ああそうだ、下っ端だったやつさ。だがな、今はこの水賊の長だ。言っておくが、ここに居る奴らみーーんな、黄祖の元手下、もしくはてめーら三国の武将らによってやられた船長らの手下達だ。」
「...元...?」
「ああ。おれらがこうして水賊やってんのも、おめえら武将、特にてめーら水賊の裏切り者や、お殿さん、そして戦の勝利の為に策をねばる軍師供を討ち取るつもりで、水賊をやっている。まぁ、最初の小さな作戦は、うまくいったがな。」
男の小さな作戦という言葉に、甘寧は反応する。
「...作戦...?」
「あ?まだ言ってなかったっけな。お前、知ってるよな?周泰が小さくなったのを...。」
「なんで知ってんだよ。」
「......そりゃあ............。」
男は甘寧に訳を話すと、甘寧は驚愕する。
「...............なんだと...!?」
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