□恋をしてしまいました…。(前編)
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「ですが、よく考えると私は手作りなんて無理ですたね………。」
再び悩み始めた諸葛亮。
「…でも、何か贈らねば、周泰殿は喜ばない………。でもでも、私は手作りの物贈るのはできない……。」
「………。」
「だからって、店行って既に作られてある物を贈っても、果たして喜ばれるかどうか…。」
「…………。」
「………。」
なんか近くに誰かが居る気配をしたのか、諸葛亮がゆっくりとその気配を感じる方を向くと……。
「……俺は別に、その贈り物とかいらないが……?」
「………周泰殿が何でいつの間にいらっしゃるのでしょうか!!!?」
その気配の主が周泰だと気付いた諸葛亮は、思わず顔を赤らめ、彼らしくないくらいの驚きっぷりを見せてしまった。そんな諸葛亮が珍しいとちょっぴり思いつつ、周泰は諸葛亮の質問に答えた。
「いや、孫権様に言われ、酒を買いに……。」
「…ず、ず、随分と大量に買っちゃったようですね…/////」
「…とにかく大量に買えと……。」
周泰の両手には(両腕?)、数十本もある酒の入った袋を持っていて、周泰の顔をよく見ると、ちょっぴり重いという顔をしていた。
そこで諸葛亮は、こんな事を言った。
「あ、良ければ私も、片方持ちましょうか?」
「……重いぞ、だから遠慮し……。」
周泰は諸葛亮にこんな重いものを持たせてはいけないと思い、遠慮しようとするが……。
「遠慮しないで下さいよ。」
「!」
「孫権殿のお部屋まで結構掛かるでしょう?それで一人でこんなにたくさんのお酒を持て行くのは、いくら貴方でも重過ぎましょう…。ですから、手伝わせてください。」
そう言って諸葛亮は、周泰が何か言う前に、その酒の入ってる袋を、周泰の手から取り、運び始めた。
「……すまない…。」
「(ほ、ほんとに重い!!(汗)いえ、これぐらい大丈夫です。」
「…………。」
諸葛亮がそんな事言いつつ、重そうな顔しているのを、周泰は気付かない筈がなかった。
しかし、(やはり持たせるのは…)と思った周泰は、諸葛亮から袋を取ろうとしたが、
「大丈夫です。」と言われ、そのまま横並びに孫権の部屋まで歩き出す。


(…で、私は何で今……周泰殿の隣で歩いてんでしたっけ!?)
諸葛亮は歩いて暫く経ったところで、周泰に積極的に話していた自分に驚いていた。
ふと、諸葛亮は周泰の顔を見る。
(…気まずいな…、周泰殿、ほんとに何も喋らない……/////)
「………?」
見られているのに気付いたか、周泰が諸葛亮の顔を見ると、目が合い、諸葛亮の胸の鼓動がさっきまでより激しくなった。
「え、はい!?な、何でしょうか…。」
「……視線を感じたから…。」
「え、あ……別に私は……その……。」
思わず顔を逸らした諸葛亮の顔が何故赤いのか理由を知らない周泰は、諸葛亮の顔を覗く。
「!!??」
「…大丈夫か、顔が赤いぞ?」
「こ、コレは……そう!今日暑いから……//////」
「今秋だが…。」「……。」
「…熱でもあるのか?」
「へ?あ、いえ別に、熱などありませんよ…。それよりほら、孫権殿の部屋に着きましたよ。」
「………。」
諸葛亮が指さしながら孫権の部屋だと周泰に教えると、周泰は黙って諸葛亮の持っている袋を持ち上げた。
「?」
「…すまないな、手伝ってくれて…。」
「……別にいいですよ、私はただ、貴方が重そうな顔をしていらっしゃったので、それが見ていられなくて…。」
「……。」
「どうしました?」
「いや、別に……孫権様に届ける…。」
「はい、重いみたいですから、途中で落としたりなどすれば、孫権殿、お怒りになりましょうしね。」
「………。」
「(顔見られてる/////)では私はこれで」
「随分疲れている様子だな、諸葛亮殿……。」
「え?」
確かに今の諸葛亮は、疲れている顔をしている。周泰の事で、ずっと悩み続けていたから。その顔を見て、周泰は心配そうに、袋を置き、諸葛亮の額に手を当てる。
「…………。」
「………顔が熱いな…念のため………。」
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